長尾和宏医師 「触れることの大切さ」訴える コロナ禍で触れられない現状 「痛くない死に方」原作

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長尾和宏医師のベストセラー「痛くない死に方」「痛い在宅医」を原作とした映画「痛くない死に方」の初日舞台挨拶が20日に都内で行われ、柄本佑、宇崎竜童、奥田瑛二、長尾和宏医師、高橋伴明監督が登壇。長尾医師が、映画化の感想などについて語った。

本作は、これまでに2500人を看取ってきた在宅医の長尾和宏による「痛くない死に方」「痛い在宅医」を原作としている。冒頭で長尾医師は、「今日はありがとうございます。私の書いた本、『痛い在宅医』と『痛くない死に方』がこういう映画になったことを本当にうれしく思います。高橋伴明監督に脚本を書いていただいて、演じられた俳優の皆さんに厚く御礼申し上げます。この映画はリアルで生々しいと思います。また、尊厳死、リビングウィルについても理解していただけるのではないかと思います」とあいさつをした。

自身をモデルにした在宅医の役を奥田瑛二が演じたことについて、長尾医師は「最初嘘かなと思い、信じられなかったです。テレビ、映画でしか見たことがない方に僕の役を演じていただけるというのも夢のような話でした。僕が普段言っていることや、本に書いていることを奥田瑛二さんが再現されていて、本当に感無量で感謝している」と、お礼の言葉を述べた。

最後に長尾医師は、「今コロナ禍で触れることができません。面会もできません。本作のポスターを見たら柄本佑さんは患者さんに触れているんですね。触れるということの大切さもこの映画で思い出して欲しい。また、コロナで面会できないから、病院や施設からどんどん家でお看取りする方が増えているんです。この映画を参考にしていただけたらと思います」と、コロナ禍における在宅医の現状について語り、観客にメッセージを送った。

「痛くない死に方」は、在宅医療の専門家である長尾和宏医師のベストセラーを原作に、仕事に追われて家庭崩壊の危機に陥りながらも、大病院でなく在宅医だからこそできる医療を模索する医師の成長物語。主人公の医師・河田仁を柄本佑が演じ、坂井真紀、奥田瑛二、余貴美子、宇崎竜童、大谷直子らが脇を固めている。監督・脚本は、「BOX 袴田事件 命とは」などを手がけた高橋伴明が務めている。

痛くない死に方
2021年2月20日(土)よりシネスイッチ銀座ほかにて公開
配給:渋谷プロダクション
©「痛くない死に方」製作委員会

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