大ヒットした初代ヴェゼル、その裏で世界的に不評だった機能も! 新型ヴェゼルは反省を生かしたデザインに

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2013年にデビュー以来、世界的人気モデルにまで成長したホンダ ヴェゼル。2021年4月にも新型が発売予定とアナウンスされ、早くも内外装デザインが先行披露した。現行型に比べ、新型ヴェゼルはかなり高級になった印象である。大ヒットした初代ヴェゼルだったが、内装デザインについては不満の声も少なからずあったという。初代ユーザーからの声も反映し設計された、新型ヴェゼルの内装についてチェックしてみよう!

ホンダ 新型ヴェゼル(e:HEV プレイ)

爆発的人気の初代ヴェゼル! そのワケは高級な車内にあった!

SUVとしては比較的小さなサイズでありながら、車内スペースはミニバン並に広く、それでいて質感もお値段以上と売れる要素満載の一台だったのだ

初代ヴェゼルは2013年にデビューし、2014〜16年、そして2019年のSUVカテゴリにおける新車販売台数ランキングで1位に輝いた超人気モデルだ。

今や世界的にSUVが大流行しているが、2013年当時は今ほどライバルも多くなかったのだ。むしろヴェゼルの登場によりSUV人気が加速したと言っても過言ではないほど、時代をリードしたモデルであった。

ソフトパッドを随所に採用することで高級感を演出

エクステリアデザインももちろん値段の割に高級な印象であったが、人々の注目を集めたのは内装であった。当時多くの小型車や軽自動車では、インパネやドアの内張りといった主な内装部品には、プラスチックの固くざらざらした素材を使用するのが当たり前。手に触れる箇所に、柔らかいソフトパッド素材を採用するのは“高級車”というイメージが強かった。

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真ん中にドーン! と設置されたセンターコンソールは存在感抜群。高さ調節機能付きのカップホルダーなど見た目だけでなく、使い勝手の面においても後発のライバルに抜きん出ていた

加えてガソリン/ハイブリッドモデルともにどデカいセンターコンソールが備わるうえ、オーディオやエアコン操作パネルは運転席側にオフセットされたスポーツカーのようなデザインも大ウケした要因である。

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使いやすいのが一番! 新型ヴェゼルは超ユーザーファーストに

ファミリーを意識! やっぱりモニターは全員がキチンと確認したい

初代ヴェゼルはナビやエアコンパネルを設置している部分を運転席側にオフセットさせることでスポーツカーのようなコクピット感を演出していた, 新型ヴェゼルは水平基調デザインに変更することで、視界の良さを表現している。実際に座ってみると前方視界は大幅に改善されている印象であった
初代ヴェゼルはナビやエアコンパネルを設置している部分を運転席側にオフセットさせることでスポーツカーのようなコクピット感を演出していた, 新型ヴェゼルは水平基調デザインに変更することで、視界の良さを表現している。実際に座ってみると前方視界は大幅に改善されている印象であった

ところが新型ヴェゼルの車内を見てみると、運転席側へのオフセットをやめ水平基調デザインと変更となっているのだ。個人的にヴェゼルはコクピット感のある運転席の居心地がお気に入りだったのだが……。

そこで新型ヴェゼルのインテリアデザインを担当した廣田. 貴士氏に素直な疑問をぶつけてみた。すると「助手席側からナビモニターが見づらい」との意見があったために変更となったという。

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運転中の操作も安心! エアコンパネルが変わったワケとは

先進的という意味では初代ヴェゼルに静電式パネルは評価すべき点であった。ところが運転中の操作となれば話は別で決して使い勝手が優れているワケではなかった, 対して新型ヴェゼルのエアコンパネルはご覧の通りオーソドックスなモノに。カチッカチッと歯車が噛み合うような、心地よい操作感も魅力である
先進的という意味では初代ヴェゼルに静電式パネルは評価すべき点であった。ところが運転中の操作となれば話は別で決して使い勝手が優れているワケではなかった, 対して新型ヴェゼルのエアコンパネルはご覧の通りオーソドックスなモノに。カチッカチッと歯車が噛み合うような、心地よい操作感も魅力である

加えて初代モデルのエアコン操作パネルは静電式を採用していたが、新型はオーソドックスなスイッチタイプへと変更されている。

先の廣田氏に聞くと「運転しながらでも操作ができること。視線移動を最小限にしたかった」というのが理由だという。もっとも基本コンポーネンツを共有しているフィットもまた静電式からスイッチタイプへと変更となったのも大きな要因ではあるのだが。

日本的美意識は世界で通用しなかった!?

初代ヴェゼルのUSBポートはどデカいセンターコンソールの下に設置されていた, 新型ヴェゼルは使いやすさを優先し、直感的に使える位置に変更
初代ヴェゼルのUSBポートはどデカいセンターコンソールの下に設置されていた, 新型ヴェゼルは使いやすさを優先し、直感的に使える位置に変更

個人的に最大級に気になる変更がフロントにあるふたつのUSBポートだ。新型ヴェゼルは剥き出しに設置されているのだが、じつは先代モデルはセンターコンソール下に装着されており、一見するとどこにUSBジャックがあるかわからないデザインであったのだ。簡単に言うならば先代ヴェゼルは“あえて見せない日本的な美意識”があり、個人的にはそれこそがヴェゼルの魅力であると感じていた。

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にもかかわらず新型は剥き出しに、そう積極的にUSBポートを見せる方向へ180度考えを変えてしまったのだ。これも廣田氏に尋ねてみると「ヴェゼルは世界で売っているクルマであり、世界的に見ても直感的に使いたい」という意見が多かったのだという。それゆえに新型ヴェゼルのUSBポートは“あえて見せる”というデザインにしたと言うワケ。

確かに変なところに設置されているより、直感的に使える方が便利ではあるのだが、先代の日本的な良さが失われたのは残念なポイントでもある。

先代モデルはどちらかというとドライバーファーストな車内デザインであったが、新型ヴェゼルは乗員誰もが快適に、そして使いやすい設計と、考えを大きく変更。ファミリーカーとしてさらにレベルアップしたという印象である。

今やコンパクトSUV市場はもっともアツいジャンルにまで成長している。先にも述べた通りこの流れを作ったのはヴェゼルと言う見方もある。それだけに、新型ヴェゼルの変革がユーザーにどう受け止められるのか、今後の動向にも注目していきたいところだ。

【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】