欧州選手権を共催から英国単独開催へ UEFAが水面下で検討

ルンメニゲ氏(ロイター)

今夏に延期されたサッカー欧州選手権が、当初予定されていた12か国・地域による共催から英国単独開催になる可能性が出てきた。

欧州選手権は昨年6月に開幕予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により1年延期された。当初はイングランド(ロンドン)、スコットランド(グラスゴー)、アゼルバイジャン(バクー)、デンマーク(コペンハーゲン)、ドイツ(ミュンヘン)、ハンガリー(ブダペスト)、イタリア(ローマ)、オランダ(アムステルダム)、アイルランド(ダブリン)、ルーマニア(ブカレスト)、ロシア(サンクトペテルブルク)、スペイン(ビルバオ)で12の国及び地域で分散開催される予定だったが、主催する欧州サッカー連盟(UEFA)が開催地の変更を検討しているという。

英紙「タイムズ」は「ワクチン接種の進展がファンが観戦できることを意味すると(UEFAの)チーフが望んでいるため、英国が『ユーロ2020のすべてを開催する』と申し出ている」と報じた。

欧州では新型コロナが依然として猛威を振るっており、大規模なスポーツの国際大会を開催することに反対の声も根強い。そうした中、英国ではワクチンの接種が他国より進んでおり政府も今後の供給体制に自信を見せている。英国ならば参加チームの選手や関係者はもちろん、観客のぶんもワクチンを確保でき有観客での開催が可能と主張。

UEFAは現在のところ共催各国が予定通りの開催を希望しているため公に動いていないが、ドイツ1部バイエルン・ミュンヘンのカールハインツ・ルンメニゲCEOは1月に「UEFAが1つの国でユーロを開催したがっている」と明かしたうえでその計画を支持すると語っている。

新型コロナ禍で国家間の移動は感染を広める大きなリスクになるとUEFAも水面下で単独開催に傾きつつあり、もともと共催に組み込まれていたイングランドとスコットランドを含めた英国が〝単独開催〟する案が有力となっているのだ。

3月に開催計画が決定される見込みで、英国側のオファーが実現するのか注目が集まる。

© 株式会社東京スポーツ新聞社