鹿児島市のかごしま水族館1階「ワクワクはっけんひろば」で、種名の分からない金色のナマコが展示されている。約10センチの小さな体を丸めたり伸ばしたり、水槽内でのんびり過ごす姿が楽しめる。
1月上旬に阿久根市の黒之浜港、水深約4メートルの海中で地元漁師が見つけた。水族館によると、骨の形などからシカクナマコ科の一種と推定されるが、種名は分からない。海外の文献などを調べているが、和名のない個体の可能性が高い。
捕獲し運んだ際に刺激を受けたためか、水族館に来てから金色の皮が徐々にはがれ白くなった。飼育員らが心配しながら見守っていると、2週間後には再び金色に。2月19日から展示されている。
学芸員の柏木由香利さん(42)によると、日本近海で報告されているナマコの仲間は約180種。世界的にナマコの研究者は少ないため正体不明のものが多いという。
3月末まで展示予定。柏木さんは「不思議なナマコを興味深く観察し、鹿児島の海の豊かさを知ってほしい」と呼び掛けている。