【小倉大賞典】定年引退が迫る西浦調教師へテリトーリアルが大駆けV「待たずに早めに動いたのが良かったね」

テリトーリアル(中)はボッケリーニの追撃をハナ差でしのいで重賞初Vを決めた

GⅢ小倉大賞典(小倉芝1800メートル)は、離れた3番手を追走した11番人気のテリトーリアル(牡7・西浦)が、2着ボッケリーニの追撃をハナ差で振り切って重賞初勝利。今月いっぱいで引退となる西浦調教師に向け、7歳のベテラン馬がはなむけの大駆けVを決めた。

外から好スタートを切ったディアンドルが当初行く気を見せたが、内のトーラスジェミニがハナを主張。2頭で飛ばして5ハロン通過58秒0は今の小倉の馬場を考えればやや速め。そんな中、勝ったテリトーリアルは前から離れた3番手をリズム良く追走。3角で鞍上が仕掛けて徐々に前との差を詰めると、直線では馬場のいい外に持ち出し、ゴール手前横一線の接戦を制した。

「道中は前が飛ばす理想的な展開。持ち味のスタミナを生かそうと心掛けて、並んでからも根性を出してくれました」とパートナーのスタミナを存分に引き出す騎乗に成功した石川。「人気馬が外から来ていたのが分かったので最後は力が入りました。タイミングのいい時に乗せてもらいましたし、大勢のファンに応援してもらっているので今日は結果を出せてうれしい」と、19年のGⅢ札幌2歳S(ブラックホール)以来、1年半ぶりのJRA重賞制覇を喜んだ。

阪神競馬場でモニター観戦していた西浦調教師は「最後はよくしのいでくれた。ジョッキーも何回か乗ってくれていて、この馬の良さをうまく引き出してくれた。(追い出しを)待たずに、早めに動いたのが良かったね」と鞍上のファイトをたたえた。

今週末の競馬を最後に定年を迎えることについては「いい馬を預けてくれるオーナーに感謝している。厩舎一丸で競馬を盛り上げていこうとやってきた。最後も精一杯頑張りたい」。攻めの姿勢をラストウイークも貫くつもりだ。

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