ジャイアンツ 山口に先発ローテ入りのチャンスを与える方針

ブルージェイズからリリースされてフリーエージェントとなった山口俊はジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてスプリング・トレーニングに参加して開幕ロースター入りを目指すことになった。ファーハン・ザイディ編成本部長は「彼は我々の国際スカウトが日本でたくさん見てきた選手だ」と以前から山口に注目していたことを明らかにし、「彼はプロとしての武器を持っており、複数の役割をこなすことができる」と期待を口にした。

現在33歳の山口は2年635万ドルの契約でブルージェイズに加入したが、昨季は17試合に登板して防御率8.06に終わり、ブルージェイズからリリース。今季の年俸317万5000ドルはブルージェイズに支払い義務があるため、ジャイアンツはメジャー最低保証年俸だけで山口を雇うことができる(残りをブルージェイズが支払う形となる)。

ザイディは「2019年の日本での活躍は素晴らしかった。彼は先発とリリーフの両方で成功した経験を持っている」と語っているが、スプリング・トレーニングでは先発の座を争わせる方針。ジャイアンツはすでに先発5人の顔ぶれが固まっているものの、今季は60試合制から162試合制に戻るシーズンということもあって先発投手のデプスが重要となるため、選手層に厚みを加える戦力として山口にかかる期待は大きい。

なお、ジャイアンツと山口の契約には開幕ロースターに入れなかった場合に契約を破棄してフリーエージェントとなり、他球団でのプレー機会を模索できる権利が含まれているという。ただし、ザイディによると、山口はジャイアンツのマイナーに残留する可能性のドアを閉ざしているわけではなく、ジャイアンツのマイナーに残ったほうがメジャーでプレーできるチャンスが多いと判断した場合、残留を選択する可能性もあるようだ。

いずれにしても、山口にとってスプリング・トレーニングの1ヶ月間が極めて重要であることは間違いない。競争を勝ち抜き、開幕ロースターに名を連ねることはできるだろうか。

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