失言連発のマリナーズ社長が辞任 球団は選手との関係修復へ

失言を連発して炎上状態となっていたマリナーズのケビン・メイサー球団社長は日本時間2月23日、辞任を表明した。ジョン・スタントン会長はこの件について記者会見を開き、「我々はより良い球団になっていかなければならない。(今回の件で失われた選手との信頼関係を)修復するためにやるべきことがたくさんあるし、その仕事はすでに始まっている」とコメント。選手のモチベーションを回復するためにも、フロントオフィスの手腕が問われることになりそうだ。

メイサーは今月上旬に地元のロータリークラブとのZOOM通話で語った内容がYouTubeで公開され、多くの選手に言及しながら失言を連発。ドミニカ共和国出身の有望株フリオ・ロドリゲスや今季から特別任命コーチを務める岩隈久志の英語力を批判したり、岩隈の通訳にサラリーを払わなければならなかったことへの不満を述べたり、意図的に有望株のメジャー昇格を遅らせていることを明言したりして大きな批判を受けていた。

スタントンによると、メイサーは現地時間月曜日(22日)にの朝に辞表を提出したという。「私はそれが組織のための正しい答えだと信じている。彼の発言は組織の価値観と一致しておらず、不適切だ」とスタントン。ただちに後任探しがスタートする予定だが、採用を急ぐつもりはなく、後任が決定するまでのあいだは臨時でスタントン自身がそのポジションを埋めることになるようだ。

メイサーの発言により、各球団のフロントオフィスが自軍の有望な選手がフリーエージェントになる時期(あるいは年俸調停権を取得する時期)を遅らせるために意図的にメジャー昇格を遅らせていることが改めて明確になった。メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会の労使協定は今季限りで失効し、新たな交渉が行われることになるが、年俸調停権やフリーエージェント権にかかわるサービスタイム(メジャー登録日数)の扱いが議題に上がることは間違いないだろう。失言の影響は今後、マリナーズの球団内のみにとどまらず、球界全体へ波及していくことになりそうだ。

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