センテー試験に古参?100人 フロンターレサポーター苦戦

 20周年を迎えた川崎フロンターレが13日、センター試験ならぬ「センテー試験」を行い、サポーター約100人が参加した。設立の1997年からファンクラブ会員となっているが、当時の会員証がなくてそれを証明できない人が対象だ。100点中80点以上を取った合格者には記念の「ゴールド会員証」が送られるが、難問続きに頭を抱える“受験生”も多く…。

 節目の記念事業として創設時からファンクラブに加入する人にゴールド会員証の授与を企画。だが2005年以前の会員情報は破棄しているため、クラブとしては確認ができない。当時の会員証を持っている人はいいが、なくしてしまったファンの「救済措置」としてセンテー(選定)試験を行うことになった。

 「悪ノリ」が得意なクラブは、会場の案内から問題用紙まで大学入試センター試験を模して実施。試験官が見回り、昔のユニホーム姿で臨む受験生には「問題に影響する可能性があるから脱いでください」と注意するほどだった。

 挑戦した小野口敦さん(49)は「20年も付き合っているとこのクラブのやり方は分かるのだが、よくここまで一般の入試をパクって忠実に再現したなと感心する。ここまで来たら一般のサポーターにも検定試験をやって、その結果によって割引などをすればまた話題にもなる」と笑った。

 創立から06年までという10〜20年前の出来事に重きを置いた問題は、ベテランのクラブスタッフでさえ間違う難問の連続。問い(2)からして「97年にテレビ神奈川で放送された『目指せJリーグ!川崎フロンターレ』の放送時間を選べ」。直近の話題でも「『かじのや納豆』のCMに出演しなかった選手を選べ」だから、無理もない。

 難易度に頭を抱えたという女性(46)は「マニアックな問題が多く、長く応援しているほどこんがらがった」。それでも「解いているうちに、ああこんなこともあったなあと懐かしくなり、楽しかった」と振り返った。

 試験を担当したクラブスタッフの岡本健吾さん(36)は「会場の緊張がこちらにも伝染してきた。昔の思い出を振り返るきっかけになったらうれしい」と話していた。試験問題はクラブ20周年記念事業のホームページでも公開している。合格発表は3月5日のホーム開幕戦で行われる。

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