【ブルーリボン賞】中野量太監督 ニノファンを映画館に90回通わせる

中野量太監督

東京映画記者会(東京スポーツなど在京スポーツ紙7紙の映画担当記者で構成)が選ぶ「第63回ブルーリボン賞」の各賞が23日決まり、監督賞には中野量太監督(47)が選ばれた。

受賞作「浅田家!」には東日本大震災の再現シーンが出てくる。「被災地の人にも見てもらえる映画を撮ろう」と決めていた中野監督の願いはかなった。

「今までは絶対、津波とかそういう映画を見れなかったけど、初めて見れた」「家族でも(震災の話は)タブーだったけど、実家のお母さんも見てくれて、この映画の話で盛り上がって…」という手紙をもらった。津波で母親を亡くした被災者から「何回も見てしまいました」と直接、泣きながら言われたこともあったという。

上映館に足しげく通って観客の反応を観察し、ツイッターには「最も会える監督」と書かれた。「なんかAKBみたいでしょ」。〝自分、安いな〟と思いつつ、まんざらでもなかった。

そんな出口調査で驚いたのが主演・二宮和也(37)の“ファン力”だ。「一番すごい人はね、90回見た人がいます」と言う。

毎回「今日も面白かった」とツイッターでつぶやく彼女は、精肉店で働く主婦だった。「90回って3か月ですからね。ほぼ毎日仕事終わって見に行ったり、1日2回見に行ったり、ってことをされた方。(見た目は)普通のレディーと言っておきます」

そこまでファンを魅了する二宮とは〝相思相愛〟で起用がかなった。中野監督は「何がいいって、とても普通に見えるんです。映画の中にホントなじむ人。ずっとそこがいいなと思ってた」と絶賛した。

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