続々新プラン発表の携帯各社、本当にお得なのはどのキャリアのどのプラン?

日本の“高すぎる”携帯料金を見直そうと、昨年より総務省が主導して様々な施策が検討され、実行されつつあります。そんな中、携帯各社もこれに対応しようと続々と格安の新料金プラン・新ブランドを発表し、大きな話題を集めています。

生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティングが行った独自調査(調査期間:2021年2月10日〜2月12日、対象:15歳〜79歳のスマートフォンユーザー約2700名)によれば、「スマートフォンの料金プランへ興味関心を持つ人」の割合は、全体の66.8%に登るといい、利用者の多くが今後、各社の新プランを念頭に、携帯会社の見直しを検討していることがわかります。

一方で、「結局どこがおトクなのかわからない」と回答した人の数も31.8%に登るといい、既存の携帯料金プランがいかに利用者にとって理解しづらい内容になっているかということもわかります。具体的に各社のプランに目を通し、どのプランがどんな利用者に適しているのか、改めて検証してみたいと思います。

今回の調査結果では「同じキャリアを使っている家族はいない」と回答した人の数が34.3%でした。この結果から実に65.7%の人が家族と同じキャリアを使用していることがわかります。一方で「家族割」利用している人は全体の43.1%ですから、これを機に「家族割」を検討してみるのもいいかもしれません。

この「家族割」ですが、年末年始にかけて発表された各社の新プランの中で、家族割引をうたうのはワイモバイルのみで、「ahamo」、「povo」、「SoftBank on LINE(LINEMO)」、UQモバイルの新プラン「くりこしプランS/M/L」、楽天モバイル「UNLIMITED Ⅵ」などは家族割引などが対象外となっているため、注意が必要です。中でも、ワイモバイルの新プランであるシンプルSは、1980円の基本使用料が家族割引適用で2回線目以降が1台あたり-1,080円の割引となり、3GB900円という衝撃的な価格で利用することができるので、家族で同じキャリアを使用するユーザーにとっては使い勝手の良いプランと言えます。

今回の各メガキャリア発表の新プラン・新ブランドのデータ通信量は20GBです。これに対して、アンケート回答者の平均通信量は「3GB以下」が最も多く62.6%。ahamoなど大手キャリアのオンライン専用プランは20GB近くの大容量を使うユーザーにとってはコスパが良いものの、多くのユーザーには3GBのワイモバイルやUQモバイル、利用状況に合わせて料金が変動する楽天モバイルなどが使い勝手の良いプランであると言えそうです。

携帯電話会社を選択する場合の重要なポイントとして、ほかにも利用後、「店舗でサポートを受けられるか」という点があります。利用者にとっては故障時の対応や初期設定の仕方、操作方法の確認などをする際、店頭サポートがあるとやはり便利なのです。この点を重視するなら、オンラインのみでサポートを提供するキャリアでなく、対面サポートが可能なショップを1000店舗以上全国に展開するdocomo、au、SoftBank、ワイモバイルなどを選択するのが良いかもしれません。

携帯料金の家計への負担増加が騒がれる中、各社の新格安プランの発表は歓迎すべきことです。普段どんな頻度で、どのくらいの時間、電話やインターネットのサービスを受けているかをもう一度考慮した上で、自分にあったキャリアをチョイスすれば、今後、携帯料金の支出を軽減し、家計での無駄な支出を抑えることができるかもしれません。(了)

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