【新型コロナ】国内でも小児に「川崎病」に似た重症例報告 学会が注意喚起

 海外で報告されていた、新型コロナ感染が原因とされる川崎病に似た症状での重症化例が日本国内でも複数報告されていることが明らかになった。24日、日本小児科学会と日本川崎病学会が共同で文書を発表し明らかにした。

「過度な心配は不要だが注意を」

 新型コロナウイルス感染症は、小児においては重症化の可能性は低いとされており、実際に国内ではこれまで10歳未満の小児約1万人、10歳代の小児約2万人が罹患しているが死亡例はない。しかし海外では少数ながらも、下痢、発熱、発疹などがみられ、また「川崎病」に似た症状もともなう重症化例が報告されていた。両学会では今回、国内の症例を収集する中でこうした重症化例が複数報告されたと明らかにした。

 文書では、ただしこれは川崎病ではなく「小児多系統炎症性症候群」とみられ、新型コロナウイルスに感染した回復期(2-6週後)に、学童期以降の小児にこのような症状が認められるとしている。あくまで確認されたのは少数であり、またいずれも治療により回復しているとして「過度な心配は不要」としたが、もしお子さんや周囲の人に感染者がいる場合は、数週間はこうした症状に注意をするよう呼びかけている。

 両学会では、子どもへの感染を防ぐためには、これまで通り日常生活において周囲の大人が罹患しないこと、こまめな手洗い、マスク着用、感染するリスクの高い状況を避けることが重要だとしている。

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