ライバル球団が戦々恐々! 早くも固まった楽天“先発5本柱”

ダッシュする早川を見守る田中将 2人の獲得は他球団の脅威だ

3月のオープン戦開幕を待たずにほぼ固まった感のある楽天の先発5本柱にパ・リーグのライバル球団が最大級の警戒をしている。

沖縄・金武キャンプを打ち上げた22日に石井一久監督は「ワク(涌井)、岸、ノリ(則本昂)、将大(田中将)プラス早川じゃないですか。その辺は順調に調整をしてくれた。残り1枠を誰がつかむか」と開幕ローテーションについて言及した。

多くの球団がこれからの実戦を使って候補者を競わせ、3月26日の開幕に向けてローテーションを固めていく段取りの中、楽天は大エース・田中将の復帰と昨秋ドラフトの目玉・早川隆久投手(22=早大)のダブル獲得で最大の武器が固まりつつある。当然、これにはパ・リーグライバル球団の007部隊も脅威を抱いている。

楽天キャンプを訪れ、投手練習の様子からブルペンや練習試合をチェックしていたある球団スコアラーはいう。「実績のある4本柱がいずれも30歳を超える中堅、ベテランだから…との悲観論がありますが、実績のある彼らが実力通りの仕事をしたらまずお手上げ。最悪の想定から現状を把握するのが僕らの仕事で今、マー君の与えているチームへの好影響はもちろん、ランニング量豊富な涌井や岸の調整は順調。復活を期す則本の状態もいい。表裏どちらのカードで当たっても必ずこのうちの2人と対戦しなければいけないのは脅威ですし、質量でそれに匹敵するローテーションを持っているチームは他にない」

日米通算12度の2桁勝利実績を持つ田中将、昨年のパ・リーグ最多勝の涌井と岸はそれぞれ8度、則本昂も6度の2桁実績を誇り、いずれも状態が悪い時のゲームメーク能力も高い。これにアマチュアナンバーワン左腕の早川が加わる。

別のスコアラーは「早川はやはり完成度が高いし置かれた立場がカードの3戦目。相手関係が各チームの5、6番手となってくると前半戦はスイスイ勝ち星を稼いでしまう可能性もある。この時期に先発が5枚決まっているというのは相当なアドバンテージで6番手が競争と言っても瀧中、辛島、塩見と誰か故障者が出た場合の投手もいますからね。先発は相当厚い」と用心する。

そして多くの球団が「マー君と則本は持ち球も投球スタイルも似ている。同じカードではキャッチャーのリードも読まれやすいことを考えると二人は(カードを)分けてくるんじゃないか」と推察。そうなると〈パターン1〉田中将―岸―早川、涌井―則本昂―6番手、〈パターン2〉涌井―田中将―早川、則本昂―岸―6番手…か。いずれにしても、対戦する相手球団にとっては投手戦を想定するカード初戦以降の2、3戦目にも打撃戦想定の攻撃的布陣を敷きづらい並びとなる。

すでに机上のローテーション予想だけで対戦相手を身構えさせ脅威を与える楽天の投手力。もちろんシーズンの展開はフタを開けてみなければ分からないが、分厚い先発ローテが楽天側に精神的優位性を与えることは間違いない。

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