阪神ドラ1・佐藤輝に「あばれる君」のニックネーム 不名誉?な命名の由来は…

似てる?(顔写真はあばれる君)

最終クールに入った矢野阪神の沖縄・宜野座キャンプでドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(21=近大)に、先輩ナインをはじめとするチーム関係者からこんなあだ名が命名されている。

それは「あばれる君」。すでに対外試合で2本塁打を放つなど、新人らしからぬ実力を発揮していることが由来なら本人にとっても光栄だが、実際はそうではなく“課題”にまつわる要素から命名された可能性が高いという。本人も汚名ほどではないせよ“返上”を期している。

今キャンプでは走攻守で好アピールが多かった佐藤輝だが、数少ない“課題”として浮き彫りになったのが、体力面や体幹強化の必要性だ。

実際に第5クールに行われた球場BGMにアップテンポの曲が流れている間、高速かつ連続的にティー打撃を繰り返す通称「スリルティー」では、最後はトスのボールに当てるのが精一杯のバテバテ状態に…。隣で4番・大山がしっかりとしたスイングで最後まで振り続けたのとは対照的なシーンとなった。その際、苦悶・苦渋に満ちたルーキーがもがき苦しむ「顔」こそ「あばれる君」の由来、命名の源流となっている。

佐藤輝の「あばれる」モードは、そんな「居残り特打・特守」など屈強なスタミナ面も要とする実技メニュー時や器具を用いず、腹筋回り体幹を強化する自重トレーニングの際にもしばしば顔をのぞかせる。普段は187センチ・94キロの堂々の体躯とともに、無骨な〝野武士〟を連想させる、りりしいたたずまいが、弱点の〝ツボ〟にハマった瞬間、一気に崩れ出す。「あばれる君」は怪物ルーキーの「平時」と「苦悶時」のギャップともいえるだけに今後、課題の体力面の強化が進めば解消される案件でもある。もちろん本人としても、どんなメニューであっても、ジタバタすることなく、クールにこなし続ける姿こそが理想だろう。

キャンプも最終クールに突入し「今まで通り、体づくりと技術アップを目指し、やっていきたい」と力を込めた佐藤輝。「あばれる顔」が「鉄仮面」と言われるほど強化されればされるほど、新人離れしたパフォーマンスにも、さらに磨きがかかるはずだ。

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