エアアジア・ジャパン(株)が破産開始決定 国内初新型コロナによる航空会社破産

 2020年11月17日に東京地裁に破産を申請していたエアアジア・ジャパン(株)(常滑市セントレア1-1、設立2014(平成26)年3月、資本金83億6542万2940円、代表取締役:会田純氏)は2月24日、東京地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には上野保弁護士(元木・上野法律会計事務所、東京都港区虎ノ門1-1-20、電話03-3501-2356)が選任された。
 負債総額は約217億円。

 「新型コロナウイルス」の影響による国内航空会社の破産は初めて。
 2017年10月に就航を開始したLCC(格安航空会社)。2011年11月に当時の全日本空輸(株)(現:ANAホールディングス(株)、TSR企業コード:290096677、法人番号:6010401050876、東京都港区)とマレーシアのエアアジアの共同出資で旧エアアジア・ジャパンが設立された。しかし、経営不振などで全日本空輸との提携が解消された経緯がある。
 その後、マレーシアのエアアジアは日本再進出を計画し、楽天(株)(TSR企業コード:294045082、法人番号:9010701020592、世田谷区)や(株)ノエビアホールディングス(TSR企業コード:662279069、法人番号:3140001034179、神戸市中央区)、(株)アルペン(TSR企業コード:400429110、法人番号:7180001024676、名古屋市中区)などが出資し、当社が設立された。中部国際空港から新千歳空港で就航を開始し、国際線としては2019年2月に中部国際空港から台湾桃園国際空港、国内も同年8月に中部国際空港から仙台国際空港、2020年3月には福岡空港への就航も発表していた。
 2019年12月期の旅客数は48万5000人、売上高は約40億円に達していたが、路線就航から2年強という期間の短さに加え、多額のリース料負担、人件費負担から赤字を余儀なくされ、増資により財務を補填してきた。こうしたなか、「新型コロナウイルス」感染拡大で2020年4月から全便が運休。8月に一部国内線の運行を再開したが、需要が回復しないことなどから再び10月1日からの全便運休を発表していた。
 運休による売上高の落ち込みや払戻し費用の負担などが嵩み、資金繰りも余裕を欠いていたため、事業継続は困難との判断に至り、10月5日には国土交通省に対して12月5日をもって全路線を廃止する旨を届け出ていた。

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