空自・那覇基地から泡消火剤が流出 保育園やモノレール駅にも飛散確認

 23日午後3時半ごろ、航空自衛隊那覇基地の燃料保管施設に付設された消火用機材から泡消火剤が流出した。空自が同日発表した。有害性が指摘される有機フッ素化合物の一種、PFOS(ピーフォス)は含まれていないと説明しているが、それ以外の有機フッ素化合物や有害物質については確認中だという。識者は「PFOSを使っていないからといって安心してはいけない。同様の有害性が指摘される代替物を使っている可能性が高い」と指摘した。

 基地外に泡が飛散し、基地近くの保育園やゆいレール赤嶺駅構内、国道331号でも目撃された。原因や流出量は調査中。基地内の水路に消火剤が流入したが、空自は基地外に出ないよう流れを止める措置を講じた。空自は「消火剤にPFOSは含有しておらず、毒性や損傷性はほとんどない」と強調した。流出した消火剤はヤマトプロテックの「アルファフォーム310X」。

 有機フッ素化合物は「PFAS」と総称される。PFAS汚染に詳しい調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクトの河村雅美代表は「日本で規制されているのはPFOSやPFOA(ピーフォア)だけだが、これらの代替物も同様に有害であることが分かってきている。規制が追い付いていないだけだ」と説明した。

 県や那覇、豊見城の両市には26日夕、消火剤流出の連絡が入った。県は情報を収集し、対応を検討する。

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