シングルマザー・・・婚活・妊活 悩みだらけの患者生活 46歳、両側乳がんになりました73

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検査・告知・手術・仕事復帰・・・誰かのお役に立てればと綴ります。

いつもお読みいただきありがとうございます。

今回は、シングルマザーの患者さんのお話。私と沙希さんの出会いは、若年性乳がんコミュニティ、pinkringさんの会合でした。がんになって、割とすぐ、で悩みの多い中、仲間が欲しいなと思っていたところでのご縁。私自身はAYA世代ではないのですが、(どうしてpinkringとつながったのかはまた追って)取材としてイベントにお邪魔して出会ったのが最初です。

沙希さんはボランティアメンバーで私より一回り以上若いのにしっかり!親に言えなかったり、副作用で悩んでいた当時、話をじっくり聞いてくれました。

娘さんを子育てしているシングルマザー。
乳がんの罹患後に出会ったヨガに救われたということでドキュメンタリーの中にも登場願い、乳がん患者さん向けのヨガやその後の患者さんの本音トークにご協力いただきました。

出会ってからもう1年半以上。番組では短すぎて伝わらなかった沙希さんのいろいろな思いを聞いてみました。

沙希:『30歳の春に乳がんですとわかって、そこからすぐ手術して、右胸を全摘。早く退院するために同時再建ではなくて全摘だけをして。その後、年齢的に今後も考えて、胸2つあるのがいいなあと思い再建しました。』

実は沙希さん、お子さんにがんだとは伝えていませんでした。(私は母親に言えてなかったので気持ちがよくわかる)シングルマザーということもあり、お子さんを患者会などには連れていっていて、いつかは気づくだろうと思いつつ月日が経ち、番組の取材の中で私はその思いを知ることになりました。沙希さん、一緒に完成したドキュメンタリーを見るのを機に伝えることにしたそうです。

沙希:『どこで、2年3年内緒にしている中、言うタイミングかがわからないでいたのが正直なところ。(様々なご家族の思いは・・ドキュメンタリー内にあります)4歳のときはわからなかったかもしれないけど、今、7歳になって・・・。患者会にも連れていっていたのでどこかで気づいているんだろうとは思っていました。』

娘さんは、なんとなく理解していて、いつから思っていたのかはあんまり覚えていないそうですが、『なんか作り話がうそっぽい』と思ったそうです。

沙希:『(見終わったあと)たこあげする約束をしていたので、外に連れ出してがんだって言っていなくてごめんね、と言ったら”知ってた”といわれて。”気にしてない!”と振り切るような感じで、ちょっとうるっとしてたかなあ・・・。彼女なりに整理して彼女なりに乗り越えていると自立していくんだな、と入院などでも本当に支えてもらってます』

シングルマザーの沙希さんは治療だけでなく、働く、育てる、生きる、全部を一人で抱えることになります。

沙希:『がんになってから、仕事をスパっとやめた時期がありました。苦しい時期があって、周りの気遣いはあるけれどそれに堪えられないと自分がつぶれていったのです。当時はマイナスしか考えられない時期があって全部手放したくなって、今までのやり方をやめちゃおうと仕事も生活のために子どものために、、とやっていたけど気持ちが続かない。スパっとやめて、時間ができるので体調をよくみたり、ヨガにも出会って、(少しやりたいことをやってことで)少しずつ前を向けるようになり、やってみたかったことをシングルだからあきらめるんじゃなくていつかやりたいことはやっちゃおうと切り替えることで世界が変わったんです。世界の見え方に付き合うひとも変わりました。子育ても変わったと思います。』

そんな中、まだがんになってから日の浅い中、娘さんがお手伝いする、とじゃがいもをピーラーでむいてくれたことが思い出だと話す沙希さん。その間にひさしぶりに一人でお風呂に入れた、とうれしかった、と笑顔。4歳ながらにして何かしてくれようとしてくれているその思いに、人それぞれだと思うけれども、生きる理由があってよかったなと感じたそうです。

一方で、沙希さんは術後のホルモン治療の副作用に悩まされた1人です。タモキシフェンを飲んでいらっしゃる方はご存知だと思いますが、不正出血や子宮の層が厚くなるなど、別の病気のリスクも考え、婦人科系もしっかり定期健診をするように言われます。
沙希さんの場合は直接の因果関係はわかりませんが、子宮にポリープができて出血。入院・治療された経験があります。

沙希:『胸だけじゃなくて婦人科も行ってと言われていたのに(緊急手術までの)1年間、行っていなかったのです。影響を確認してねと言われていたのに怖くて逃げてしまった。結局、ポリープが3センチほどに。』『夜から朝型にかけて深刻な状況で、立ち眩みもして、これはまずい、と。祖母の家に預かってもらおうと。自分で必要なものを用意して、おばあちゃんち行ってなさいと言ったらさっと自分で準備をしはじめたんです。パンパンになったボストンバックがあって、何入れた?って見てみたら人形が10数体入ってました、笑。さみしくならないからって。』

沙希さん、この辺くらいまでは覚えているそうなのですが、その後、タクシーにのって、おばあちゃんちお願いします、と倒れるように乗って、子供を預けたあとは覚えていないそうです。運転手さんの機転で、無事に病院に到着して入院。ほとんど起きないと思うのですが、と前置きした上で、”命をとられるところだった”と。副作用の大変さ、他のリスクを感じながら生活しなくてはいけないことを改めて気づかされたといいます。

今は医師と相談の上、治療はお休みしています。年齢的なことを考えて、一度、妊活できる身体にしたいと考えています。

沙希さん:『かけみたいな感覚がある。その薬あることで再発がなくなるものではないけど、予防の数値が研究で出ているのも知っている。いつやるの?と焦るわけじゃないけど何回も入院して治療してリハビリしてやりたいことが今できない、というのがたくさんあった。』

『ただ、私もあきらめの悪い人間で・・・胸をなくした後に娘が”お父さんを探したい”といった。”おっぱいないし”、と返したら、5歳ながら”おっぱいがなくても好きになってくれるかもしれないじゃん。いま探しにいこうって。”本当に娘に教わることがおおくて、好きになってくれる人がいるかもしれないなと。自分で可能性つぶしていた、胸で結婚するわけじゃないですよね?私自身を知ってくださいと婚活も始めてみました。』

すっと言われて、はっとする。大人が教えることよりお子さんに教わることの方が多い。大人の方が勇気出なくなるのは私もわかります。

沙希さん:『諦めるのは簡単だけど追いかけることをやめなくていい。がけっぷちじゃないと思えるときが来ると思うので自分で決めずにいこうと。不安になってしまう空気作りをしない生き方をしようと心に決めました。』

沙希さんが元気になるために学んだのは乳がん患者さんなど向けのヨガ、なんとインストラクターになることにしたのでした。私も数回教えていただきましたが、ここちよい疲れですっきり。呼吸など無理なく、自分のペースでできたこと、そして、胸の傷や伸びにくい場所、もしかすると浮腫などの方もいるかもしれない、と様々考えられたものだったことに驚きました。

沙希さん『ヨガじゃなくてもいい、そこに自分の元気が見つけられるかどうかが元気に過ごせるかどうか変わってくると思う。リアルでできるのがベストですけどピンクリング(若年性乳がんコニュニティ)さんと北海道の札幌だけじゃなくて、遠いところにニーズがあるのではと想像しているので、オンラインも駆使して遠くて来れなかった人にも元気になるきっかけ作りできるのではないかと思っています。』

YouTubeの動画の最後には、お家で簡単にできるポーズも教えていただきました。是非動画もご覧ください。https://youtu.be/61D2ycKdRXA

今回、お話を聞いた沙希さんなど患者のみなさんとトークイベントがあります!

『ピンクリボントーク 患者・家族・社会 ~生きてくのに必要なコト~』
2021年3月14日(日)午後2時スタート(無料配信)https://www.htb.co.jp/event/online_theater/program/20210216070107/