阪神に勝利の女神? 元府知事・太田房江氏が明かす03&05年「御堂筋パレード」舞台裏

国会議員イチの虎党を自任する太田房江氏

開幕まであと1か月に迫ったプロ野球。阪神ファンにとっては、就任3年目を迎える矢野監督の悲願達成に期待が膨らむところだが、そんな指揮官にエールを送るのが現参議院議員の太田房江氏(69)だ。2000年から大阪府知事を2期8年務め、その間に阪神は2度の優勝。御堂筋パレードを実現させてファンを喜ばせ、景気回復に尽力した。そんな〝ふーちゃん〟が矢野監督に求める姿勢とは?

【太田房江氏インタビュー(1)】

――2013年に参院選に当選。2期目を迎えているが、球場に足を運ぶことは

太田議員 甲子園に行きたいんですけど、東京で国会がありますのでねえ。でも東京ドームとか横浜には行きますよ。ビジターだと阪神ファンも一角だけなので雰囲気が全然違いますね。おとなしく、お行儀よく見てますよ(笑い)。

――太田議員と言えば大阪府知事時代の03年、05年と2度も阪神が優勝した。勝ち運があるのでは

太田議員 そう言ってくれるとうれしいわ。近鉄(01年)もガンバ大阪(05年)も勝っているし、スポーツ黄金時代でしたよね。

――03年と05年には御堂筋パレードを実現させた

太田議員 よく知事時代の実績を聞かれるんですけど、表向きは関空の滑走路建設とシャープの誘致。でも本当は初めてやった阪神のパレードと思ってるんです(笑い)。最初、ファンが熱狂しちゃって沿道の整理ができないから無理ということでした。でも私が記者会見で「やるの当たり前でしょ!」って言っちゃった(笑い)。反対の声もあったけど「やってよ」って。

――大号令をかけた

太田議員 警備費だけで1億かかったんです。自分で寄付金集めに動きました。JR、阪神、阪急、関電、大阪ガス、トヨタ…。ラッキーだったのはトヨタの社長が阪神ファンで「バスがないんです」って言ったら系列の日野自動車に頼んでくれて日野のバスをパレード用に作ってくれたんです。バスの上半分を改造して何台か作ったんですよ。05年のパレードもそれを借りてきました。

――トラブルもなく成功裏に終わった

太田議員 うれしかったですねえ。テープカットの時に雨が降り出してね。淀屋橋から長堀通りまで行くんですけど、私はバスに乗るわけには行かないので迂回して長堀で待ち受けて。トラブルもなく、70万人が集まってくれました。優勝するかしないかというころ、星野仙一さんにあいさつに行ったんですよ。星野さんのお母さまが亡くなられた時でね。優勝の緊張とお母さまのことでやせておられたのが忘れられないですね。

――05年以来、優勝から遠ざかっている。3年目を迎える矢野監督に思うことは

太田議員 私がよく甲子園に行っていたころの矢野さんは笑顔が印象的でチームをうまくリードしていて、今もその印象でやっている感じがありますね。明るくするのはもちろんいいんだけど、あれに一方で厳しさが加わればもっと上に行けると思っています。野村さんも星野さんも厳しかったと思うんです。

――メリハリが大事と

太田議員 阪神って大好きなんですけど、ちょっとやると緩んじゃう。ファンに甘えてね。そこを厳しくやったのが星野さんと思うし、締めるとこ締めないとね。配分って難しいんだけど、キレる時もあるぞっていうのを見せたら選手も引き締まる。緩み病に気をつけないといけません。大阪出身で名捕手なんですから絶対優勝してほしいですもん。大山選手、近本選手あたりが育って、ドラフトで佐藤輝選手も入りましたし、今年チャンスじゃないですか。

☆おおた・ふさえ 1951年6月26日、広島県呉市出身。東大経済学部卒業後、通産省入省。97年に岡山県副知事、2000年から日本初の女性知事として大阪府知事を2期務め、関西国際空港の2期工事、シャープ堺工場など企業誘致に取り組む。13年の参院選で初当選し、厚労大臣政務官、自民党女性局長などを歴任。19年の参院選で再選し、現在は文教科学委員長、地方創生及び消費者問題に関する特別委員会の委員を務める。SNSにも積極的でユーチューブ「ふーちゃんネル」では政治やコロナ問題を女性目線でわかりやすく解説している。

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