欧米、アジア…顔ぶれ多様 長崎IR参加5者、資格審査通過 本格選定へ

長崎IRの事業者選定審査に参加するグループ

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致で、県はIR設置・運営事業者を公募し、国内外の5者(グループ)全てが資格審査を通過した。県は近く本格的な選定審査に入る。5者の中心企業や、IRのうちカジノ運営を担う業者の顔ぶれを比較した。
 香港の金融関連会社オシドリインターナショナルのグループは、北米でIRを展開するモヒガン・ゲーミング・アンド・エンターテイメントが参加。オシドリのトップは米IR大手「MGMリゾーツ」で社長を務めた経験がある。
 カジノオーストリアインターナショナルジャパンは、オーストリアの国営企業「カジノオーストリア」の傘下にあり、「信頼感」をアピール。同社は欧州を拠点にカジノを多く所有しており、系列企業のノウハウを施設整備に生かす。
 県内にいち早く事務所を構えて準備を進めてきたのが、カレント(長崎市)を中心とするグループ。マカオのカジノホテル「ソフィテルマカオ・アット・ポンテ・16」や香港の開発企業「ゲットナイスホールディングス」と連携する。
 中国・北京やシンガポールなどで大規模な不動産開発を手掛けた実績を持つ香港企業が中核の「ニキ チャウフー(パークビュー)グループ」。カジノを手掛ける事業者は非公表だが、「世界有数の事業者」としている。
 スロットマシン開発などのジャスダック上場企業、ピクセルカンパニーズ(東京)は「ワン キュウシュウ」のグループ名で応募。資本提携する「TTLリゾーツ」(同)を代表に据え、フランスのカジノ「パルトゥーシュ」と組む。
 県は3月上旬に1次審査を開始。5者のコンセプトやカジノなどの運営能力、財務状況を書類で評価し、同月中旬に3者に絞る。2次審査でプレゼンテーションなどを行い、8月に1者を選定する予定。
 佐世保市のハウステンボスへの誘致を目指すIRを巡っては、ギャンブル依存症や治安悪化などへの懸念も根強い。県IR推進課は「審査では懸念事項対策も見極める。審査と並行し、IRに対する県民の理解促進も続ける」とする。

 


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