【阪急杯】レシステンシアが快速逃げでレコードV 北村友「次への楽しみも広がりますね」

軽々とレコードを叩き出したレシステンシア。今年の短距離戦線を席巻するか

GⅢ阪急杯(阪神芝内1400メートル=1着馬に3・28高松宮記念の優先出走権)は、途中からハナに立った1番人気のレシステンシア(牝4・松下)が後続を寄せつけず、1分19秒2のレコードV。2歳時の阪神JF以来、約1年3か月ぶりの勝利を飾った。華麗なる復活劇を遂げたかつての2歳女王の勝因はどこにあったのか?

ゲートが開くと、内のロードアクアがハナを主張。しかし、1ハロンほど進んだところでレシステンシアがハナを奪う。3ハロン通過34秒0は、当代きっての快速を誇るこの馬にとっては楽なペース。余力十分で4コーナーを回ると、直線で再加速。その勢いは最後まで衰えず、後続に2馬身差のゴール。2歳暮れの阪神JF以来の勝ち星は、1分19秒2の“レコード”というオマケもついた。

手綱を取った北村友は開口一番「強かったです」。途中からハナに立つ形については「自分のリズムで、という作戦でした。行かせて2番手でもいいと思っていましたが、馬が自然と行ったのでそれに逆らわずに」と振り返る。「メンバーは楽ではなかったですが、具合は良かったので期待していたんです。こうして結果を出せてホッとしています。次への楽しみも広がりますね」と充実した表情で語った。

松下調教師は「(馬体重は)プラス8キロでしたが、これでもトレセンにいた時よりだいぶ減っているんです。輸送で体が減るので、遠征などでどうかですね」と課題を口にしながらも「調教で動いていたので、これで勝てなかったらどうしたらいいのか、と思っていたんです(笑い)。体重増は成長分だし、その分、しっかりと攻めを積むことができました。馬が気分良く運べたし、強かったですね」と会心の笑顔を見せた。

今後については「オーナーと相談してからですが、高松宮記念の優先出走権も取れましたからね」と、6ハロンGIへの参戦も選択肢に入れた同師。出走すれば自身初の6ハロン戦となるが、手綱を押さえたままでテンの3ハロンを34秒0、さらに上がりを33秒8(出走馬2位タイ)でまとめた今回のレースぶりは、この馬の持つスピードの絶対値と、それを持続する能力を端的に示している。

そして、これこそが現代のスプリント戦で求められるものだ。

高い素養があり、古馬となってさらに成長を遂げた今のレシステンシアなら、トップスプリンターが集う中京の電撃戦でも、堂々としたレースぶりを見せてくれることだろう。

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