菅首相、山田広報官辞職で危機管理対応の甘さを露呈…与党内からも「リーダーシップ欠如が招いた」の声

山田氏(左下)と菅首相

政府は菅義偉首相(72)の長男・正剛氏らから接待を受けていた山田真貴子内閣広報官(60)が辞職したことで、野党の猛攻勢に見舞われている。

菅義偉首相は1日に行われた衆院予算委員会で立憲民主党の枝野代表(56)から「山田氏が先週辞職していれば、緊急事態宣言が一部解除された先週金曜日に記者会見を行うことができたのではないか」と質問された。
これに対し、菅首相は「首相官邸でのぶら下がりの中で丁寧に説明した」と反論したが、時すでに遅しの感が否めない。

「ネットは山田氏が辞職すべきとの書き込みであふれていた。菅首相の対応は、後手、後手の繰り返し。野党は今後もネット民を味方に菅首相の任命責任を追求してくるだろう」(自民党議員)

立民副代表の辻元清美衆院議員(60)は国会内で報道陣の取材に山田氏の辞職について「問題が発覚したときに最初に総理も辞任を認めていれば、入院ということにも至らなかったのではないか」と指摘した。

そして菅首相の長男に高額接待を受けたことには「間違っていると思うが、複雑な思い」とした上で、菅政権の姿勢をこう批判した。

「(山田氏は)結局は総理大臣の身内に振り回されたというか。安倍政権のときは、森友(学園の問題)で財務省が振り回されて自殺者まで出したけど、菅政権でも、今度は息子さんで優秀な女性官僚が潰されたという側面もあるんじゃないか」

菅首相の危機管理対応の悪さを露呈した格好の山田内閣広報官辞職問題に関して、前出の自民党議員は「首相会見が山田氏を隠すためにぶら下がりに変更し、最後はマスコミに逆ギレ。菅首相のリーダーシップのなさがすべての結果を招いた」と批判した。

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