ものは考えようだ。広島・森下暢仁投手(23)に2年目の飛躍のチャンスが訪れた。沖縄キャンプ最終日となった1日に佐々岡真司監督(53)は「今年も大瀬良大地でいきたい。昨年12月から頭にはあったが(右ヒジの)術後ということがあった。ただ昨日の投球を見て確信した」と開幕投手に大瀬良大地投手(29)を指名した。
大役を狙っていた森下は無念の〝落選〟となったが、周囲はプラスと見ている。「昨年は新型コロナ禍で試合数が少なく143試合を経験するのは今年が初めて。体力的なしんどさはあるだろうし、毎週金曜に各球団のエースと対戦してすり減らすよりも、勝つ確率が高い起用をしてほしい」(チーム関係者)
昨季はルーキーらしからぬ投球で10勝3敗、防御率1・91の好成績で新人王に輝いたが、いきなりエース級との対戦ばかりとなればハードルは高く〝2年目のジンクス〟に陥る原因になりかねない。
また2016年の野村祐輔投手(31)、2018年の大瀬良と開幕投手を外れた先輩たちが〝ローテの綾〟も味方に付けて最多勝と最高勝率のタイルを手にしている。それだけに森下にも「組みやすい相手との投げ合いで勝ち星を量産してほしい」というわけだ。
「任されたところでしっかり投げることを意識したい。また一から結果にこだわってやりたい」と前を向く森下。今回の悔しさをバネに名より実を取っていけるか。