180年前に「絶滅した鳥」を発見! インドネシア・ボルネオ島は“特需”に沸く

クロマユムジチメドリの再発見を報じた英紙「ガーディアン」のホームページ

地球温暖化や乱開発による環境の悪化で、一日に100種以上、年間で4万種近くの生物が絶滅するという現代。そんななか、ダーウィンの「種の起源」が出版された1859年よりも前に絶滅したとみられていた鳥が、ボルネオ島で約180年ぶりに再発見された。

その名もクロマユムジチメドリ。昨年10月、ボルネオ島の7割以上を占めるインドネシア領で地元の男性2人によって捕獲され、見たことがなかったことから写真撮影して専門家グループに見せたところ、クロマユムジチメドリと判明したという。その後、論文として発表され、英紙「ガーディアン」が先日、報じたことで、世界中のバードウオッチャーたちを驚かせた。

茶褐色の頭頂と背中に青灰色の胸や腹、そして名前の由来となった黒色の眉が特徴的だが、見た目には何とも地味な鳥だ。しかし、これまでたった一つの標本の存在しか知られておらず、誰もが絶滅したと思っていただけに歴史的な再発見だ。

ボルネオ島でバードウオッチャーのガイドをして生計を立てている男性は、「世界中の熱狂的なバードウオッチャーから問い合わせが殺到している。今は新型コロナウイルスで全く仕事も収入もないなか、いきなり盆と正月が一緒に来たようだ。いつか世界中の客をつれて行けるようになることを楽しみにしている」と興奮を隠さない。

しかし、過去には絶滅寸前に陥った生物をめぐって、その希少性から捕獲が相次ぎ、絶滅に至った種も存在する。世界でも屈指の生物ホットスポットで再発見されたクロマユムジチメドリ。再び絶滅したというニュースだけは聞きたくない

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