真鶴・副町長人事案取り下げ 町長「議会の同意困難」 神奈川

真鶴町役場

 神奈川県真鶴町の松本一彦町長は2日、町議会第1回定例会に提案予定だった尾森正町民生活課長(57)を副町長に選任する人事議案を取り下げた。同日の定例会開会前の議会運営委員会で、今定例会への提案取り下げを表明した。

 松本町長は神奈川新聞社の取材に「議会側からさまざまな意見をいただく中で、同意を得るのが困難と判断した。残念だが見送った」と説明した。

 町職員出身の松本町長は、人選について「尾森氏とは職員同期で苦楽を共にしてきた。役場内のことも安心して任せられる」と強調した上で、今後について「時期など総合的に見直し、状況を見ながら提案したい」と述べた。

 一方、青木健議長は「町民を代表する町議会の意見を町長が尊重するのは健全な関係だが、十分な理解を得るための調整不足とも言える」と指摘。「提案の具体性や根拠をより明確に示してほしい」と話した。

 松本町長は昨年9月の町長選で現職を破って初当選。こうした背景もあり、町議の一人は「就任して半年の松本町長への反発も一部で見られる」と話した。

 副町長ポストは、町長選後、現職町長の退任と同時に当時の副町長も辞職して以降、空席となっている。

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