米軍警備交番も…昭和の写真を横浜・本牧の歴史資料に 地元警察署がパネル寄贈

前田俊明署長(左)からパネルを受け取る横浜市八聖殿郷土資料館の相沢竜次館長=山手署

 歴史資料として役立ててもらおうと、山手署は2日、1950~70年代に撮影された管内の交番19カ所の写真入りパネルを横浜市八聖殿郷土資料館(同市中区本牧元町)へ寄贈した。かつて管内に多く暮らしていた米軍関係者の警備用交番が写った写真もあり、同館は本牧地区の変遷を伝える重要な資料として保存、活用していく。

 署によると、写真は昨年9月、署の倉庫を整理中に偶然見つかった。約40点あり、署員が間取り図や説明書きなどを添えて20点のパネルを制作。交番の歴史を伝えるため、今年1月末まで署内で展示していた。

 この展示を見学した同館の相沢竜次館長が署に打診し、寄贈が実現した。本牧地区は戦後に米軍の接収地になるなど特異な歴史を歩んできたが、相沢館長は「当時の資料は少なく、日常の様子を収めた写真は貴重」と評価している。

 相沢館長は今後、写真を基に住民への聞き取り調査にも取り組む予定。「本牧の忘れられた記憶をよみがえらせ、子どもたちへ歴史をつないでいきたい」と意気込んだ。前田俊明署長は「長らく愛された交番の歴史が引き継がれるのはうれしい。地域の人に見ていただければ」と笑顔でパネルを手渡した。

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