カズオ・イシグロさんの長編小説 長崎でも販売開始 臨時売り場設置も

「クララとお日さま」を買い求める女性(左)=JR長崎駅かもめ広場

 2017年にノーベル文学賞を受けた長崎市出身の英国人作家カズオ・イシグロさん(66)の新作「クララとお日さま」が2日、発売された。同市尾上町のメトロ書店本店は、JR長崎駅かもめ広場に臨時売り場を設けた。
 作品はノーベル文学賞受賞後、初となる長編小説。人工知能(AI)を搭載したクララという名前のロボットが主人公。ある少女の家に買われたクララが、献身的に少女に尽くす中で、一家の大きな秘密が明らかになっていくという物語。
 臨時売り場では、店員らが駅の利用客らに作品をアピールし購入を呼び掛けた。本を買い求めた長崎市の主婦、北岡弘恵さん(54)は「イシグロ作品の魅力は読み返すたびに新しい発見があるところ。楽しみにしていた新作を今日はじっくり読みふけりたい」と笑顔で述べた。
 同店の読書アドバイザー川崎綾子代表取締役常務は「今の新型コロナ禍で心が落ち込んでいる子どもたちにぜひ読んでほしい1冊」と話した。
 「クララとお日さま」日本版は早川書房刊、四六判、448ページ、2750円。原書版は英Faber&Faber社刊、四六判、320ページ、2255円。

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