リンガーハット 食材ロス解消へAI活用 来月導入、仕入れ業務向上

 長崎県発祥の外食大手リンガーハットは4月から、人工知能(AI)システムを活用した「Web(ウェブ)発注システム」を本格導入する。食材切れによる店舗間の無駄な食材移動や食材ロスをなくし、従業員間で個人差があった仕入れ業務の精度を高める。
 これまで同社の食材発注は、各店舗の店長らが日別の売り上げ目標を設定し行ってきたため、ベテランと新人で仕入れの精度に差が出ていた。人手不足の中で発注業務に追われ、調理や接客に割く時間を確保できない課題も出ていた。
 システムは、これらを改善するため食材の必要数と推定在庫から「日ごと」「店舗ごと」に発注数を自動で算出する。必要数は前月の売り上げや食材使用量、売り上げ予測から計算。推定在庫も店舗の販売数からはじき出す。発注方法を統一し簡素化することで時間効率の良い店舗運営を目指す。
 2019年12月に運用テストを始め、めどが立ったことから今年1月に数十店舗に導入。4月からは全国のリンガーハットと濵かつの計約450店で運用する。同社は「システム導入で業務の効率化を図り、お客さまに安全・安心なおいしい食事をスムーズに提供したい」としている。

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