神奈川県海老名市の特別養護老人ホームで、2019年4月に創設された在留資格「特定技能」を活用してベトナム人女性2人が稼働している。人材不足が顕著な介護の担い手として、職場の期待を集める。慣れない異国での仕事に戸惑うこともあるが、介護の実務やノウハウを吸収していずれ母国に還元しようと、奮闘している。
特定技能の資格で、同市河原口の特養ホーム「さつき」で働いているのは、ダン・ティットゥ・ヒエンさん(27)とグエン・ゴック・タムさん(26)。約50人の高齢者が入所する同ホームで、食事やトイレの介助などを担当している。
2人はベトナムで看護師として同じ病院で働いていた。日本のアニメなどに関心を持っていた2人は18~19年に日本での就労のため来日。アルバイトなどを経て、技能や日本語能力の水準をクリアして特定技能の資格を取得し、昨年12月から同ホームで働くようになった。今は2人で市内で共同生活をし、日本の生活習慣にもなじんできた。
ベトナムでも少子高齢化が進行しているというが、老人ホームなど高齢者施設は普及していない。ヒエンさんは「日本で介護の勉強をして、10年後にはベトナムに帰国して老人ホームを建てたい」と夢を描く。