『ひとりじゃない』が支え・・・46歳、両側乳がんになりました74

検査・告知・手術・仕事復帰・・・誰かのお役に立てればと綴ります。

いつもお読みいただきありがとうございます。ひなまつり、、ですね。桃の節句・・ピンク!そう、胸に関心をもっていただく日になればなと思っております。今回はとても多くの方に御覧いただいていたカナダのみきさんとのお話のこぼれ話などを・・・。

カナダと日本の違い

みきさんはカナダのオンタリオ州にお住まい。昨年手術されました。同時再建されたのですが、感染症 (Infection)になってしまい、結果インプラントをとるなどあわせて3回の手術を経験したそうです。この手術って何?というご質問も頂戴したので、詳しくお話します。以前のみきさんの記事はこちら→

https://sodane.hokkaido.jp/column/202102201100000662.html

インプラントを入れた周辺で感染症が起こり、その感染症が原因で死んでしまった細胞を取って、さらにその原因であるバクテリアを綺麗に洗浄をする手術です。日本だと、退院まで多くの方が少なくても5日間は入院されることが多いのであまり起きることではないそうです。

カナダの医療費はほぼ無料ですので、病院に入院できる期間が日本より極端に短い、です。これも要因なのではないかと思います。

ご本人はあまり自覚はなかったようですが、
手術後の経過観察のためのお医者様の問診で、感染症が発覚。その場で緊急入院、コロナウイルステストも受診、翌日に手術&退院。
この時はまだインプラントは胸にあったままで、入院した日は、結局朝から夜中まで手術の日程が決まらず空腹との戦いだったそうです。翌日すぐ退院するのも日本よりは早いです。

15日くらいたった後も、感染症が良くなっていなかったため、その場でインプラントを除去されることに。この日から毎日、ヘルスケアクリニックにガーゼを取り換えに行くように指示されて、再度の手術が確定したそうです。ぽっかり、空いた状態で毎日生活するのは大変だったそうです。(たぶん日本なら入院)

さらに、その後、15日ほどたってから、またコロナウイルステスト受けて再手術して現在にいたっているそうです。

その間に、オンコタイプ DX 遺伝子検査の結果で抗がん剤の上乗せ効果がないことからホルモン療法開始(タモキシフェン)し、現在も服薬中、ということでした。(エストロゲン陽性タイプ)

みきさん:『良い点はヘルスケアクリニックと遺伝子検査が以前お話した保険でカバーされている事です。そのため一切自己負担がないのは非常に助かっています。』

『ただ、ヘルスケアクリニックについては、ドクターが家またはクリニックでアフターケアが必要な患者をクリニックに送るといった形で、クリニックから直接電話が来て予約を取る流れです。場所は基本的に自分では選べず、現住所に近いところを紹介されるのですが、私の場合、車で行けて広いところを要求したところ良い場所を紹介してもらえました。』

そういう、交渉も必要・・・。

みきさん:『遺伝子検査については、最初の手術が終わった後に外科医が依頼をしていたらしく、結果をもらいました。金額は日本だと40〜50万、カナダでも$1,000と言われていますが、こちらの費用も保険でカバーされています。一方でデメリットですが、まずコロナウイルスがあるため、いつもなら必要のないテストを手術前に受けないといけない点。今回の受診のために3時間外で並んで、結果風邪引きました。』

『待つといえば、カナダの医療の最大のデメリットは待ち時間の長さです。予約があるにも関わらず平気で1時間くらい待たされます。カナダあるある事情です。私はまだましですが、ファミリードクター制度なので、緊急度の低い患者の場合は、専門医に会うのも数ヶ月〜1年待ちと聞きます。また基本的に専門医は選べません。この点がカナダの医療制度の課題なんではと思います。』

私が前回のお話で印象に残っていたのはみきさんに対して、看護師さんが手術の内容やスケジュールをどどーっと説明された際、時間が欲しい、とすべて止めてもらったら、ソーシャルワーカーさんが助けてくれることになったというお話。このソーシャルワーカーさん、24時間相談に乗ってくれたり、相談内容のプライバシーもしっかり守られているそうです。ここまででも十分きちんとサポートされているなと思うのですが、最初のナースさんからメールも届いていたそうです。
『急ぎ過ぎたね』と。
そして、今の苦しい気持ちや受け入れられない問題を話した方がいいなどのアドバイスと正しい医療情報がかかれたサイトを紹介してくれるなど一歩踏み込んでいるな、という印象。

これがひとりじゃない、という助けと、初期の落ち込みを少なくする支えになるのではないかと思い、非常にいいなと感じたしだい。

最後に・・・みきさんから最近のCanadian cancer societyのInstagram の投稿記事に共感したのでお送りします、と写真が送られてきました。

そこには手のひらに載った、ピンクのリボン。そして添えられた文章には(要約)”がんになったからといって、人を愛することも、成長することも何かを望むこともやめられない。病気よりもその後の人生の方が大事。それは抗がん剤よりも、恐怖よりも。あなたはひとりじゃない、思い出も作ることができる。人生はがんになっても諦める必要はない。”

みきさん『病気なっても、過去は変わらず、変えられるのは未来のみということ。生きている以上は1日1日を大切に、周りの人達に気持ちを伝えて前向き過ごせたら良いと思います。』

がんばれないことも多いけど、何かまた始めないといけないな・・・。

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