【スターダム】ジュリア「白いベルトと髪」失う…壮絶のワンダー王座陥落

中野たむ(奥)に敗れて髪の毛を切られたジュリア

女子プロレス「スターダム」の10周年記念大会が3日、東京・日本武道館で開催され、「敗者髪切マッチ」として行われたワンダー王座戦で、王者のジュリア(27)は中野たむに敗れ、髪とベルトを失った。

ジュリアと中野は昨年7月のワンダー王座決定戦と10月の同王座V1戦で対戦し、ともにジュリアが勝利。2連敗を喫しても屈しない持ち前の粘りで3度目の一騎打ちを要求。ジュリアからは敗者髪切りマッチにすることを条件に3度目の対戦を受諾され、その後にワンダー王座もかけられることが決まってこの日に至った。

試合は序盤、互いの先を読みあう展開になったが、一瞬のスキを突いて投げっ放しジャーマンを決めたジュリアが先にペースを握る。さらに場外で鉄柵攻撃やテーブルクラッシュ式のパイルドライバーを決めるなど攻め込み、その勢いに解説席の北斗晶も思わず「ジュリア選手は、デンジャラスクイーンですね!」と叫ぶほどだった。

しかし中野はスピンキックをヒットさせて動きを止めることに成功。さらに場外に逃げたジュリアをコーナー最上段からのボディアタックで追撃するなど徐々に反撃し、さらにおきて破りのグロリアスドライバーをジュリアに決めてフィジカルにもメンタルにもダメージを与えた。

そこから終盤まで互いに譲らずビンタ合戦など繰り広げたが、最後は中野がスピンキック2連発で動きを止めてからスタイナースクリュードライバー(SSD)からトワイライトドリーム(変型原爆固め)で3カウントを奪った。

試合後、マイクを持った中野は「やっと、あんたに勝てた。これ以上はいらない。だから、髪の毛なんか切らなくていい」と提案。しかしジュリアは「私は今日、全てをかけて戦った。私は髪の毛もベルトも人生もかけてアンタと戦った」と言い返し「恥かかせんなよ」とバリカンを中野に渡す。

その場で頭の左半分を坊主にしたジュリアは中野に笑顔を見せる。中野は「この白いベルト、聖なるベルトと記憶にも記録にも名を刻みます。ジュリア、すぐ髪を伸ばして逆襲しに来いよ」とメッセージを送った。

ジュリアはその後「負けるつもりがなかったから、何言っていいか分からないけど。鼓膜が破れて、歯が欠けて、あごがずれた。あいつは私のやりたかったことができると思うから頑張ればいいんじゃん?」と話した。

壮絶な死闘を乗り越えた2人の今後はいったいどうなるか。

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