マクニカ、空気質をモニタリングする「AiryQonnect」を販売開始

空気質の監視は、「空気は目には見えないもの」という理由だけでなく、技術的制約、コストの問題などがあり、現在まであまり一般的ではなかった。例えば、正確に測定できる空気質計測装置は専門的な工業製品で、大型かつ高価なため、手軽に屋内で常時モニタリングする用途には適していない。一方、低価格な空気質計測製品は、業務用途として空気質を常時監視する目的においては、計測数値の正確性・長期安定性などの信頼性の観点において課題がある。しかし、新型コロナウイルス感染症などを始めとした空気感染症の拡大抑制のために換気をCO2モニタでの測定結果を基に行うといった厚生労働省の推奨例などを背景に、人々の生活をより安全安心で豊かにするために屋内の空気質の監視や管理のニーズが急速に高まってきている。株式会社マクニカ アルティマ カンパニー(以下、マクニカ)は、空気質モニタリングソリューション「AiryQonnect」を開発し、2021年3月4日から販売を開始した。同ソリューションは、空気質をモニタリングするための空気質センサモジュールの企画・開発・製造から、LPWAによるクラウドネットワークの構築までをマクニカが提供するものである。以下は、同ソリューションの概要と特徴である。

1. センサ端末空気質センサを搭載し、長期に渡り使用可能な端末製品を提供するという。まずはセンサ端末「AQ-E1」と、TVOCガス検知が可能な端末「AQ-E2」をワッティー株式会社と共同開発し、この2つの製品を販売開始するとしている。
2. コネクティビティセンサ端末に無線通信の機能を搭載しているため、建物全体の管理や長期的に空気質の監視データを集計できるという。無線通信は、LTE(CAT-M1)通信とBluetooth、それぞれの通信規格に対応した製品を準備している。
3. プラットフォームAQ-E1向けに「空気質見える化プラットフォーム」を提供する。同プラットフォームにより、利用者はPC・タブレット・スマートフォンから、温湿度・CO2濃度・TVOC・PM2.5などの空気質情報を確認できるようになり、また、過去の状態の履歴も確認・保存することができる。
4. サービス・アプリケーション空気質の監視に加え、空調制御機器や他プラットフォームを接続することで管理・制御が可能になるという。端末から、プラットフォーム、バックエンドまでのセキュリティ、そしてAIアルゴリズムの実装など、順次サービスを展開していくとしている。

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