れいわの美女候補・八幡愛氏「炎上の履歴書」 グラドル時代、いじめ、自己啓発…

異色の経歴を持つ八幡愛

今秋までに行われる次期衆院選の大阪1区に、れいわ新選組から立候補する八幡愛氏(33)が今から話題になっている。グラビアアイドルなどを経て現在はタレントとして芸能活動を行う一方、早稲田大学eスクール2年生という2足のわらじを履く注目の候補。芸能から政治へと世界を変えることになったのはなぜなのか。その理由と彼女の経歴に迫った。

――高校卒業後に芸能界入り

八幡 もともと歌が好きで芸能界にあこがれはありました。初めて受けたオーディションが「モーニング娘。」さんのオーディション。それやのにaiko歌ったりとかちょっとズレてましたけどね(笑い)。姫路なんで「ASAYAN」(テレビ東京系で1995年から2002年まで放映)の映りも悪いし、誰も見てないやろと思ってたんですけど、ちょっとだけ映ってから、めちゃくちゃイジメられて。地元がイヤで中高一貫校に入って大学に行こうと思ってたんですが、弟が生まれて進学をあきらめたんです。

――グラビアタレントになったのは

八幡 音楽が好きでオーディションに参加したり、音楽事務所の研修生みたいなこともやってたんですけど、19歳のときに限界を感じて、何か形になることをしようと思ってグラビアに行ったんです。

――売れたのか

八幡 全く売れなくて事務所の底抜けるんちゃうかっていうくらいDVDが返ってきてました(苦笑い)。

――「探偵!ナイトスクープ」(ABC)にも出た

八幡「25メートル泳ぎたい美女」っていうので出させてもらって、賞ももらったんですけど大炎上したんですよ。一般人参加型番組なので「ヤラセや!」「売名行為でナイトスクープを汚した!」って。でも事務所うんぬんじゃなくて私個人で応募したもんやし、テレビ局もタレントやってることは分かってたんでしょうけどね。

――批判されがちな人生

八幡 基本的に炎上してきた人生で、今もつながってます。

――息抜きは

八幡 めちゃくちゃアニメ好きで、ずっと見てます。オタクです。あと講談師の神田伯山が松之丞時代から好きで、追っかけしてました。アニメと講談が癒やしです。それと酒(笑い)。ビール。ずっと飲んでます。休みの日は朝から。選挙区内に新世界がありますからね。ポスター貼らせてもらった後に飲んだりしてますよ(笑い)。

――政治に興味を持ったきっかけは

八幡 東日本大震災ですね。一瞬ですべてが奪われるし、原発の爆発を見て「なんて危ないものを容認してるんだ」と感じた。政治や報道にも疑問を感じた。そんな時にデモのリポーターをやってみないかとお声掛けいただいて、何もわからない普通の女の子が「何でデモに参加してるんですか」とストレートに聞くのがウケが良かった。そんなことをしているうちにいろんなお話をいただくことになったんです。

――すぐには政治を目指さなかった

八幡 エンターテインメントは好きで、続けたいし、おかしいと思うことは自由に発信したかった。だから大阪市長だった橋下徹さんの取材にも参加したりする一方で、おもろいかなーと思って映画「ヌイグルマーZ」に出て、高円寺(東京都杉並区)をおっぱいでぶち壊すなんて役もやってました(笑い)。

――それでもやはり政治の世界へ

八幡 やっぱり山本太郎(れいわ新選組代表)の存在が大きい。政治家らしくない政治家ですよね。媚びも売らないし、ヤジが飛んできたら怒ったりもする。12年くらいに初めて会ったんですけど、ブレずに活動して広がっているのを見て、ああいう政治家になりたいし、一緒にやりたいと思った。大学で勉強しながらポスター貼りを手伝っていたら、今回声を掛けていただきました。

――現役大学生

八幡 通信だと他にやってることがある場合も多いので、なかなか4年で卒業は難しいですね。選挙に出ることになったんで、移動中に授業聞いたりとかで大変です。

――どんなことを訴えていく

八幡 れいわの政策である消費税廃止はもちろん、原発廃止、災害…訴えたいことはたくさんあります。大学もそう。奨学金の借金を背負ってる人は多くて、結婚、出産といったその後の人生の足かせになってる。社会人になった後でも学びたい人がもっと気軽に学べるように制度を変えたいですね。

――芸歴が支障になることは

八幡 グラビア時代のものも「消した方がいいよ」なんて言われますけど、消しようがないし、当時の自分が間違ったことをしていたわけでもない。れいわの支持者の方にもアレルギーがある方はいらっしゃいましたよ。差別反対って言ってる方が「ズボンはけ」「女性とはこうあるべき」とか服装の指示してきたり…。自分が政治家を目指す上で、そこも訴えたいところではありますね。

――女性の権利

八幡 風俗とか水商売に誇りを持っている人はいっぱいいる。すべての性産業に携わる人を「貧困だからやっている」とひとくくりにするのもちょっと違う気がするし、逆に職業差別をしている気がする。(アニメの)「鬼滅の刃」の次回作も遊郭が舞台だけど、遊郭はひとつの文化だと思うし、すべてが奴隷のように働かされてたとは言えないと思う。極端に白黒つけすぎる風潮は変えたいところではありますね。

――これまでを振り返って

八幡 10代の時に音楽で成功したいという思いが強すぎて「25歳で死ぬ」って言ってたんです。痛いでしょ? 10代の時に自己啓発にもハマりだして(オリラジの)中田の敦ちゃんやキンコン西野みたいなことも言うてた(笑い)。それくらい自分の理想が強かったんですけど、それじゃアカンと思って、なるようになると流れに身を任せて今がある。良いことではないけど10~20年、炎上人生が続いて精神を鍛えられてきたことで、誹謗中傷に悩んでいる人に寄り添えるかもしれない。今となってはすべてが、れいわ新選組の八幡愛のためやったんかなと思いますね。

☆やはた・あい 1987年7月21日生まれ。兵庫県姫路市出身。高校卒業後に芸能界入り。グラビアアイドルなどを経て現在はタレントとして活動。2011年の東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故を機に社会問題に関心を持ち、報道リポーターとして取材を始める。19年、早稲田大学人間科学部eスクールに入学した現役大学生。20年11月に次期衆院選大阪1区にれいわ新選組から立候補を表明した。

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