【Jリーグ】8季ぶりにJ1仙台に復帰した手倉森監督 ホーム初戦の大敗に「自分にとって初めての経験」

J1仙台・手倉森監督

8季ぶりにJ1仙台に復帰した手倉森誠監督(53)はホーム初戦で川崎に1―5と大敗した。

仙台にとっては東日本大震災から10年という節目の年ということもあり、試合前には黙祷が捧げられた一戦。ただ、前半から主導権を握られると前半12分で失点し「川崎の久々に先発した選手の勢いをながめているうちにやられた」と出はなをくじかれた。

その後、10年前の震災を経験したMF関口訓充(35)がケガで無念の途中交代を余儀なくされるなど不運も重なり、まさかの5失点。指揮官は「ホームでこんなに大敗したことがない。自分にとって初めての経験」という惨敗だった。

震災時、仙台の指揮をとっていた手倉森監督は日本代表のコーチや五輪代表監督、J2長崎での指揮を経て8年ぶりに古巣に戻った。「震災から10年ということで、仙台に戻らなければならないと思った」という使命感のもと、チームの再建を託された。

10年前、リーグ再開初戦の相手もこの日と同じ川崎。その時は先制を許しながら、奇跡的な逆転勝ちで被災地に勇気を届けた。この日の結果は惨敗だったが「特別な試合を誰一人、席を立つことなく見守ってくれたことに感謝している」とサポーターに頭を下げた。

昨季、チームは初めてホームで1勝もできないまま終わるという屈辱的なシーズンを送った。悪い流れを止められなかったが「これをホーム最後の負けにしたい。勇気を振り絞って戦うのは最低限。ホームで2度と負けないと思わせてくれる敗戦だった」と巻き返しを誓った。

© 株式会社東京スポーツ新聞社