伊良部島唯一の高校、最後の卒業式と閉校式 「島の誇り」住民ら閉校惜しむ 

 【宮古】宮古島市の伊良部島唯一の高校だった伊良部高校は6日、最後の生徒5人が卒業し、閉校した。卒業式と同時に行われた閉校式で大宮廣子校長が金城弘昌県教育長に校旗を返納した。式には多くの卒業生や地域住民が参加し、「島の誇り」だった同校への感謝を込めて校歌を歌って閉校を惜しんだ。

 伊良部高校は1984年に県立宮古高校分校として設置され、86年4月に伊良部高校となった。小さな島の高校ながら全国大会に6度出場するなど、県内屈指のバレーボール強豪校として知られた。

 高齢化が進む島の状況に比例して生徒数は徐々に減少。2015年に伊良部島と宮古島を結ぶ伊良部大橋が開通すると宮古島の高校に通う生徒が増え、さらに生徒減が進み19年度の入試から生徒募集を停止した。

 地域住民らは5人しかいない生徒に「さみしい思いはさせない」と生徒会祭など学校行事にこぞって参加した。「小さな島から大きな挑戦」を合言葉に地域が守ってきた同校は37年間で2175人が卒業した。

 閉校式と感謝の集いではOBらが次々と学校への感謝を語った。1期生の川満博昭同窓会会長は「さみしい」とかみしめるように語り「私の今は(伊良部高の)教育のたまものだ。閉校しても受けた教育は消えない。生活の中で後輩たちに伝えていく」と誓った。大宮校長は「2175人の卒業生の全国レベルでの活躍は島に自信と誇りをもたらした」と37年を振り返った。

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