ロッシの背中を追い最高峰クラスにまで上り詰めたルカ・マリーニ/2021年MotoGPルーキーライダー紹介

 2021年からロードレース世界選手権MotoGPのMotoGPクラスにデビューするルーキーライダーたちを紹介。今回はルカ・マリーニ(スカイ・VR46・アビンティア・チーム)。

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 2020年のMoto2クラスでタイトル争いに加わり、ランキング2位を得たルカ・マリーニ。1997年8月10日にイタリアのウルビーノで生まれたマリーニは、バレンティーノ・ロッシの異父弟に当たる。

 マリーニが生まれた1997年に、ロッシは初の世界タイトルとなる125ccクラスのチャンピオンを獲得し、マリーニが物心着くころには、ロッシは最高峰クラスの王者に君臨していた。マリーニが初めてバイクに乗ったのは4歳のとき。そして、2004年、7歳でミニバイクレースにデビュー。イタリア、ヨーロッパ各地のレースで活躍を収めていく。しかし、マリーニ自身、カートや自転車、サッカー、さらにビデオゲームなど、さまざまなことに興味を持っており、二輪のロードレースの道を選んだのは2012年、15歳になったときだった。

 2012年にはイタリア選手権(CIV)のMoto3クラスに参戦し、ランキング9位を得る。2013年にはイタリア選手権Moto3クラスと、スペイン選手権(CEV)のMoto3クラスにもスポット参戦。CIVでは2位に3回、3位に3回入賞し、ランキング4位を獲得した。また、この年のサンマリノGPではMoto3クラスにワイルドカード参戦し、世界グランプリデビューを飾っている。

 そして、続く2014年にはCEVのMoto3クラスにチームアスパーとVR46のジョイントチームからレギュラー参戦したが、ランキング16位に留まった。マリーニは続く2015年にはCEVで開催されるヨーロッパ選手権Moto2クラスにステップアップ。前年度の結果から、Moto2のほうが、マリーニの体格に合っているというのがステップアップの理由だ。そして、その判断を証明するように、カタルニアラウンドで2位初表彰台を獲得、コンスタントに上位に入賞しランキング5位を得ると、2016年から世界グランプリMoto2クラスにレギュラー参戦を開始する。

 2016年はフォワードレーシングから参戦。6位を最高位にランキング23位で終えた。続く2017年もフォワードレーシングから継続参戦すると、ランキング15位と前進。チェコGPでは4位のベストリザルトを得た。

 そして、2018年からはスカイ・レーシングチームVR46に移籍。ドイツGPでグランプリ初表彰台となる3位に入賞。ドイツGPからオーストリアGPまで3戦連続で表彰台を獲得し、チェコGPではグランプリ初ポールを獲得。さらにシーズン終盤のマレーシアGPでグランプリ初優勝を達成し、ランキング7位を獲得。Moto2クラスのトップライダーへと躍進する。

 2019年には2勝を記録してランキング6位。そして、2020年にはチャンピオン争いに加わり、3勝、2位3回、ポール2回を獲得したが、惜しくもランキング2位に終わった。

 そして、マリーニは、ドゥカティ・コルセと契約を交わし、スカイ・VR46・アビンティア・チームから、2021年よりMotoGPクラスに参戦することになった。

「VR46アカデミーの支援を受けて、フィジカル、そしてメンタル面でも準備が整うように厳しいトレーニングを積んでいる。2021年は学ぶことや発見することがたくさんあるだろう。新しいカテゴリーに可能な限り素早く適応し、レースごとによい結果を得るために集中して仕事をしたい」とマリーニ。

 ロッシと同じ最高峰クラスについに到達したマリーニ。ロッシはマリーニを「ボクとはキャラクターが異なり、ルカは常に冷静だが、マシンの細部にまでこだわり、正確さを求める点はボクと似ている。そして、彼は速いライダーだ」と評している。2021年、同じ母を持つ二人のライダーが最高峰クラスで、直接対決する。

2021年MotoGP:ルカ・マリーニ/Moto2クラス マルコ・ベゼッチ、セレスティーノ・ビエッティ(スカイ・レーシング・チーム・VR46)

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