柔道のグランドスラム（ＧＳ）タシケント大会（ウズベキスタン）の女子７０キロ級で優勝した東京五輪代表の新井千鶴（２７＝三井住友海上）が７日、一夜明けてリモート取材に応じ、激闘の大会を振り返った。
新型コロナウイルス禍で久々の海外試合。「感覚的にうまくかみ合っていかない部分がすごくあった」と感想を漏らしつつ、初顔合わせの外国人選手には「組み手がすごくクセがあるなって思いました。そういう選手と戦えたのは良かった」と収穫を口にした。
準々決勝は延長を含む１２分の熱戦の末に勝利。準決勝では相手のウズベキスタン選手に２つの指導を先に取られる苦しい展開から延長に持ち込んで制した。これらの戦いを踏まえて「組み手でクセのある人たちに勝つポイントとして、片襟を持ったところからの技って大事になってくる。手を添えてかけるだけでは甘いと思ったし、しっかり握れるところにいかないと力が伝わらないと感じた」と具体的な課題を発見。その上で今夏の東京五輪へ向けて、こんな青写真を描く。
「シード選手やランキング上位者に目がいきがちですが、シードを持っていなくても、すごくやりにくい選手って多い。実際に五輪となると、そういう人たちと１、２回戦で当たる確率は高い。そこで一つ一つ勝たないと上にいけない。今回、シード選手を食っていくような人と戦えたのは良かったと思います」
東京五輪金メダルを目指す上で「クセが強い選手」が足をすくう可能性は十分。そういう意味で収穫満点の大会となったようだ。
