【ノア】拳王がGHCナショナル王座V6! カシン踏みつけ〝野獣〟藤田を次期挑戦者に指名

カシン(右)に勝利した拳王

7日のノア・横浜武道館大会で、GHCナショナル王者の拳王(36)が〝悪魔仮面〟ケンドー・カシンを下しV6に成功した。

拳王の孤独な戦いは、数日前から始まっていた。21日の仙台大会で大原はじめとのシングル戦に勝利するも、その直後に現れた海賊亡霊のマスクをかぶった謎の男に襲撃されたのだ。さらにその翌日の前橋大会では謎の白覆面に襲われた。背格好や動きは悪魔仮面に近いように見えたが、カシンはそれを否定。その後も会見では箱の中から登場したニセカシンに気を取られているところを後ろから海賊男に殴られたり、前夜6日の横浜大会でも客席からリングに乱入したリーヴマスクの男に襲われたりもした。

すっかり疑心暗鬼、人間不信に陥った拳王は、この日の試合前に本紙の姿を見つけるや「お前は向こう側の人間だろ! こっちにくるな!」と疑いの目を向ける始末。本紙が一体いつ〝向こう側〟についたというのか…。全く心当たりがない。

ともあれそんな心理戦を経て入場すると、怒れる拳王がゴングを待たずカシンに襲い掛かり試合開始だ。しかし急所攻撃や飛沫防止のアクリル板を使ってのフェースロックや打撃などラフ攻撃で反撃されたかと思えば、ビクトル式腕ひしぎ逆十字固めなど切れ味鋭い関節技に悶絶。アンクルロックを靴を脱いで脱出されるなど得意の〝脱皮技〟にも苦しんだ。

しかし中盤、投げっ放しジャーマンを決めてから徐々にペースをつかむことに成功。最後はハイキックを決めてから必殺のPFS(ダイビング・フットスタンプ)2連発で3カウントを奪った。

試合後マイクを持った拳王は大の字のカシンを踏みつけて「おめえもある意味、無茶苦茶強かったな。だがな、俺は本当の意味でメチャクチャすさまじく強くなりてえんだ。だからすさまじく強い男を倒すぞ」と、カシンの盟友でセコンドについていた〝野獣〟藤田和之を次期挑戦者に指名。これに応じリングに上がった藤田もなぜかカシンを踏んでにらみ合い、これをきっかけに両軍リングインしてみんなでカシンを踏みながら乱闘した。

その後拳王は藤田を指名した理由を「藤田和之を倒して〝プロレスラー・イコール・最強、最強・イコール・拳王〟になる」と説明。一方、カシンは藤田と共にコメントスペースに姿を現し「夢ってかなわないものなんだな」とポツリつぶやくと「俺の夢は彼に託しました」と盟友の肩を叩いた。

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