期待されて9年目迎えた柳田2世 鷹・真砂勇介が見出す“左キラー”としての活路

3安打を放ちアピールしたソフトバンク・真砂勇介【写真:藤浦一都】

“ミギータ”真砂は阪神左腕チェンから2安打、開幕1軍へアピール

■ソフトバンク 4-3 阪神(オープン戦・7日・PayPayドーム)

激化する競争の中で懸命にアピールをしている。ソフトバンクで9年目を迎える真砂勇介外野手。7日の阪神とのオープン戦では左投手のチェン・ウェイン投手から2安打を放つなど、3打数3安打の大当たり。前日6日にはオープン戦2号の本塁打も放っており、キャリア初の開幕1軍生き残りを猛アピールしている。

「左投手でのスタメンで、ここはアピールしないといけないと思っていました」。2回無死一塁で迎えた第1打席、チェンから右翼線への二塁打を放った。3回にもチェンから左前安打。さらに右のガンケルに代わった5回の第3打席でも左前安打を放ち、この日は3打数3安打。「チャンスをもらっている限り、結果を出すしかない」と固く誓っている。

チームでも指折りの身体能力の高さを誇り、ついたニックネームは“右の柳田”を意味する「ミギータ」。2016年の「WBSC U-23ワールドカップ」でMVPに輝き、脚光を浴びたが、レギュラーどころか1軍定着もままならないままに今季で9年目を迎えた。

今季、まず目指すのは“左キラー”としての立ち位置だ。ソフトバンクには内野手で川島慶三という“左キラー”がいるが、外野手での右打者は手薄。外野の枠を争う中で、左打者は長谷川勇也や上林誠知、柳町達、釜元豪と多いが、右打者は佐藤直樹だけ。また、工藤公康監督は相手投手の右、左によってスタメンの並びを変える傾向もあり、“対左投手”に活路はある。

「まずは対左投手の時にスタメンで出られるようにしたい」

「左投手から打たないと。外野手の枠は少ないのでアピールしていきたい。レギュラーになるには右投手も打たないといけないですが、まずは対左投手の時にスタメンで出られるようにしたい。そこからは1個1個の積み重ねだと思っています」

この日はガンケルからも安打を放ち、右投手も攻略。「左投手と右投手で打ち方を変えている。ボールが入ってくる角度が違うので、それぞれに真っ直ぐ入っていくようにしている」。自主トレを共にする柳田悠岐外野手から教わったという投手の左右への対応策も実践し、成果も残した。

ソフトバンクの外野手争いでは、現状、上林が一歩リードし、開幕スタメンを手繰り寄せている。だが、真砂だって負けていない。熾烈な外野手争い。最後に生き残り、開幕1軍と開幕スタメンの切符を掴み取るのは誰か。

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(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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