氷川きよし〝原点〟の新曲MVで見せた「演歌・歌謡曲の神髄」

氷川きよしの新曲「南風」のMVから

音楽ジャンルの枠を超えた幅広い楽曲を歌ってきた歌手・氷川きよし(43)が〝原点〟で見せた成長とは――。

氷川の新曲「南風」(30日発売)のミュージックビデオ(MV)とニュービジュアルが9日に公開された。

「南風」は氷川の原点に立ち返り、師匠である水森英夫氏が作曲。この困難な時代に前向きな気持ちを胸に生きていこうとする思いを歌った氷川の真髄を見せる楽曲となっている。

発売に先駆け解禁されたビジュアルは、水色のジャケット姿の氷川が青色のオーガンジーを背景に笑顔を見せている。また、同時に公開された「南風」のMVは2月上旬に東京近郊で撮影。氷川が歩くシーンを軸にワンカット風の仕上がりで、前向きなイメージを描いている。

氷川は「水森先生とのやりとりの中で、今、この時代に皆さんの背中を押せるような、温かい歌を歌いたいと『南風』というタイトルが決まり、そこから、かず翼先生に詩を書いていただきました。本当に温かい歌で、優しい気持ちになる曲になりました。今、世の中全体が〝北風〟のような大変な世の中ですが、少しでも歌で励ましの言葉を送らせていただきたいという思いが形になった作品です」とコメントしている。

近年「限界突破×サバイバー」や「碧し」などこれまで歌ってきた演歌・歌謡曲とは一線を画す作品も歌ってきた氷川。「ジャズ、ブルース、シャンソンも勉強したい」と様々なジャンルの音楽への意欲を口にすることもあった。ある音楽関係者は「いろいろ歌ってきた氷川が原点の演歌・歌謡曲に戻り、水森先生に作ってもらったのが今回の楽曲。一周回って元の位置に戻ってきたという感じですが、いろいろ歌ってきた分、歌に深みが増している感じがある」。多くの経験が氷川を大きくさせたようだ。

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