【全日本】“暴走専務”が復活 諏訪魔「とにかく攻める!暴れるぞ、オイ!」

諏訪魔(左)は福田社長と、がっちり握手を交わした

全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・諏訪魔(44)が、3月1日付で団体の専務執行役員に就任したことが分かった。全日本では約5年ぶりの“暴走専務”復活を機に、業界内での再浮上を狙う。8日の横浜大会前に福田剛紀社長(55)と本紙の取材に応じた諏訪魔は、再就任の経緯と団体の底上げに尽力する決意を語った。

暴走男が再び重責を担う。2014年7月から15年11月まで務めた専務に、再び諏訪魔を抜てきした福田社長は「来年の団体創立50周年イヤーに向けて、背広組と選手の間でもっとコミュニケーションを密にしてチーム一丸にしたいと考えていました。そのタイミングで諏訪魔選手から『自分も経営にプラスになることをさせてほしい』と言っていただき、思いが一致して就任してもらいました」と説明した。

役割についてはこれから決まるものもあるとしつつ、「選手としての活動に加え、試合会場での統括やファイト内容のレベルアップなどに尽力してほしい」と期待を寄せる。

現在のマット界は盟主の新日本プロレスが独走状態で、これをノアとDDTのサイバーファイトグループが追随する。新日本と並ぶ老舗団体として、全日本もこの競争に置いていかれるわけにはいかない。福田社長は「これから身の丈に合う形でレベルアップを目指していきます。諏訪魔選手の専務就任がその起爆剤になれば」と語った。

一方の諏訪魔は「今の状況を見た時にリング内だけじゃなくて、リング外でも勝負をしないといけないっていう気持ちがあったからだよ」と大役を引き受けた理由を説明した上で「前回は俺の中で『守る』っていう意識が強かった。でも今回はとにかく『攻める』っていう意識が強いよな。前回以上に暴れるぞ、オイ!」と語気を強めた。

フロント就任に伴い、具体的な目標も定めた。「両国国技館、日本武道館、東京ドーム。この3つの大規模会場を目指したい。でもその前に4000~5000人規模の中規模会場の試合を増やしたいね。足元を固めて地道にいくしかねえだろ」。リング上のさらなる活性化にも力を入れる方針で「暴走だけじゃなくて、“あおり”もしていこうと思う。この間、アンファンテリブルに裏切られた芦野(祥太郎)を『このままでいいのか?』ってけしかけたみたいにね」と目を光らせた。

3冠王者としても気持ちを引き締め、メインの6人タッグ戦では大暴れして観衆を魅了した。暴走専務復活により、王道マットは勢いを取り戻すか――。

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