【MLB】大谷翔平は「完璧なタイミングで野球界に現れた」 二刀流追い続ける番記者の思い

エンゼルス・大谷翔平【写真:Angels Baseball】

ルーキー時代から大谷を追い続ける「ジ・アスレチック」のアルダヤ記者にインタビュー

エンゼルスで一番の注目を集めているのが二刀流復活が期待される大谷翔平投手だ。オープン戦では最速100マイル(約161キロ)をマーク、打ってもバックスクリーンを越える特大弾を放つなど好スタートを切った。メジャーデビューから大谷を取材する米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者がFull-Countのインタビューに応じ大谷の活躍に太鼓判を押した。【盆子原浩二】

――100マイルを投げ、特大ホームランと最高のスタートを切った
「ここ最近彼がしていることが、まさに球団が彼を獲った時に思い描いていた景色なんだろうね。2018年にその片鱗を少し見せたが、今はとても状態がよく見える。万全にプレーできる限り、エンゼルスは彼に二刀流のチャンスを与え続けるだろうね」

――去年と今年の違いは?
「2018年の絶好調だったときに戻った感じがするね。去年は調子がいい時の彼とは明らかに違った。エネルギーのようなものや、身体的なものが根本的に欠けているように見えた。今は完全復活したように見えるね」

――体格も以前とは違って見える。アメリカの野球に順応したと思うか?
「下半身にも筋肉がついてきたのが大きいだろうね。膝の怪我もあり、なかなか下半身の強化に踏み切れなかったが、今は体ができてきている。それが、投球時の勢いに顕著に表れていると思う。打つ方にしても、下半身に筋肉がついてバランスが良くなった。彼がインパクトを残している理由はそこだと思う」

――2021年はどういうシーズンになると思う?
「こればっかりは難しいね。彼がどれだけ健康な状態でいられるかにかかっていると思う。彼のポテンシャルが依然としてずば抜けていることは分かったけど、それを維持できるか、プレーできるかにかかっているだろうね。もし仮に、2018年シーズンで見せたような打撃、投球を見せて、なおかつそれをフルシーズン続けられたら、MVP候補になるに違いない。4月から9月までフルで出場する。これは難しいことで、彼のようなプレースタイルでそれを成し遂げた選手はいない。でも、それが出来たら、無限の可能性があるね」

「ジ・アスレチック」のファビアン・アルダヤ記者【写真:盆子原浩二】

「投手も打者もどっちもやるのをみたいに決まっているさ!」

――起用法を変えることをマドンが明言しているが
「エンゼルスにとっては絶対にいいことだと思うよ。彼がプレーする日数が増えれば、それは間違いなくチームにとってプラスになる。ただやはり問題は、彼がそれくらい起用されて健康な状態でいられるかどうかだね。健康でいられるなら、マイク・トラウトと同等の価値をチームに与えてくれる可能性もあると思うよ」

――2018年に大谷は世間を驚かせた。二刀流というものについて、どう思う?
「もちろん、彼くらいの才能がない限りそんなことは不可能で、これだけ長い間そのようなプレーヤーが現れなかったという事実は、彼の才能がいかにずば抜けているかを証明しているね。100マイル投げてホームランも打つなんて、稀有な才能だと思うよ」

――大谷のようなプレースタイルが増える可能性もある。メジャーリーグに与えた影響とは?
「完璧なタイミングで野球界に現れたと思う。フロントの考えが柔軟になってきて、科学に基づいて様々な分析が可能になったし。今後、大谷のような才能を持った選手が現れた時、チャンスをあげる球団は増えるんじゃないかな」

――日本人は大谷への期待値が高い。1995年に起こった“ノモマニア”のような熱狂も?
「今年はそのようなことになる可能性は大いにあるね。世界中のみんなが見たい光景だと思う、彼のような選手が1年通して活躍するのは」

――野球ファンとして、彼をどう思う?
「彼がやっていることはとても珍しいことだし、興味を惹かれない野球ファンはいないと思うよ! 投手も打者もどっちもやるのを見たいに決まっているさ!(笑) とにかく健康第一だね! 元気に1シーズン終えられれば、とんでもないことが起きるさ」(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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