東映・岡田裕介さんお別れの会が行われる 吉永小百合と西田敏行が「贈る言葉」を発表

昨年11月18日に急性大動脈解離で死去した東映グループ会長の岡田裕介さん(本名・岡田剛=享年71)のお別れの会が10日、都内ホテルで行われた。

会場には、岡田さんの笑顔の遺影が掲げられ、合計1万2800本の祭壇花が手向けられた。

祭壇の前面は、東映映画のオープニングシーン「荒磯に波」をイメージして作られ、後方には主なプロデュース作品のポスターが張られた。

戒名は「東裕院殿天山剛映大居士」。手塚治虫原作の「ブッタ」の映画化の際、お世話になった慶安寺の深澤信善住職がつけたという。

女優・吉永小百合(75)と俳優・西田敏行(73)は東映を通じ「贈る言葉」を次のように発表した。

「〝裕介さん、今、どちらですか? お元気ですか?〟大空に向かって、森の奥に向かって、時折、声を掛けたくなります。あまりにも突然で、もうお会いできないという実感が湧かないのです。でも、現実なのですよね……。40年間も、映画づくりをご一緒させていただき、心から感謝しております。ありがとう! 本当に、ありがとうございました」(吉永小百合)

「本当に岡田さん、いないんですか? もしかしたらすぐ傍にいるんじゃないですか。今でも、後ろから『西やん!』って声を掛けられそうな気がします。先代のお父様は岩のような人でしたが、裕介さんは風のように、そして林のように涼やかな個性をお持ちで多くの人に愛され、また日本映画を語る上で欠かせない存在と思います。岡田さんとの別れを受け入れるにはもう少し時間が欲しいですが、ひとまずお別れですね。ご冥福をお祈りします」(西田敏行)

岡田さんは1970年代に映画「赤頭巾ちゃん気をつけて」など俳優として数々の作品に出演。プロデューサーとしても、高倉健さんと吉永小百合が初共演した「動乱」(80年)などを手掛けた。88年に父親の故岡田茂さんが社長だった東映に入社。2002年に同社社長に就任し、14年から東映グループの会長を務めていた。

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