「売れ残り」のフランコはオリオールズにフィットするのか

昨季ロイヤルズの正三塁手を務めたマイケル・フランコがまだフリーエージェント市場に残ったままとなっている。昨年12月にロイヤルズからノンテンダーFAとなったあと、買い手がつかず、売れ残っている状態なのだ。「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンによると、オリオールズやメッツなど複数のチームがフランコの獲得に興味を示しているという。メジャーリーグ公式サイトではオリオールズの三塁手事情を分析している。

かつてフィリーズの有望株として期待されたフランコは現在28歳。2014年にメジャーデビューし、翌2015年には80試合に出場して打率.280、14本塁打、50打点、OPS.840をマークしたが、これ以降は伸び悩みが続き、30本塁打どころかOPS.800以上のシーズンすら1度もない。2016年以降の5年間では、打率.278(2020年)、25本塁打、88打点(ともに2016年)、OPS.780(2018年)がベストの成績だ。また、通算守備防御点-37という数字が示す通り、守備も決して上手くはない。

そんなフランコだが、オリオールズにとっては三塁のグレードアップとなる可能性が高い。今季の正三塁手に予定されているのはメジャー6年目、現在26歳のリオ・ルイーズだが、メジャー定着を果たした2019年は127試合に出場して打率.232、12本塁打、46打点、OPS.682、昨季は54試合に出場して打率.222、9本塁打、32打点、OPS.713という冴えない成績に終わっている。守備のレベルもフランコと比較して「多少はマシ」といった程度だ。

右打ちのフランコと左打ちのルイーズのプラトーン起用も選択肢の1つだが、フランコは投手の左右による成績差が小さく、ルイーズは左打ちながら対左腕のほうが通算成績が良い。よって、プラトーンに適した組み合わせとは言えない。ルイーズのほうが2歳若いため、再建中のオリオールズが無理にフランコを獲得する必要はないだろう。

もしオリオールズがフランコを獲得するのであれば、前半戦で好成績を残してもらい、夏場にトレードの駒として活用することが目的になるのではないだろうか。

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