海老名っ子の善意、南三陸町へ 釣り銭募金を写真館寄付 神奈川

南三陸町への寄付金が入った募金箱を持つ尾山郁夫さん=海老名市大谷南

 神奈川県海老名市大谷南で写真館を営む尾山郁夫さん(79)がこのほど、地域の子どもたちから寄せられた募金1万1789円を、東日本大震災で被害を受けた宮城県南三陸町に贈った。写真館の一角で開いている駄菓子売り場に募金箱を置き、買い物に訪れた子どもたちが釣り銭の一部を入れるなどして集まった。同町への寄付は5回目で、これまでに届けた額は計3万4060円になった。

 きっかけは、尾山さんが以前、農地を貸していた海老名市在住の男性が南三陸町出身だったこと。男性は震災で姉夫婦と妹を亡くした。

 尾山さんは「自分に何かできることはないか」と震災があった翌日の2011年3月12日に、駄菓子コーナーに「東日本大震災 ご協力お願いします」と記した募金箱を置いた。被害の大きさを知った子どもたちが善意を寄せるようになったという。

 初めて寄付金を贈った後には同町の佐藤仁町長から「皆さんのあたたかい行動が、被災を受けた町民の心に元気と勇気を与えてくれます」との自筆の礼状が届いた。

 尾山さんは「微力だが、これからも子どもたちとともに被災地に思いを寄せたい」と話している。

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