【新型コロナ】英国変異株の死亡リスク「最大2倍」 英医学誌論文

 英国で昨年発見され、世界に広がりつつある新型コロナウイルスの変異株について、他の株と比べ死亡リスクが最大2倍に上昇していることが、英国の著名な医学誌「British Medical Journal」に9日付で掲載された論文で明らかにされた。論文を発表した研究チームでは「英国変異株は感染力が強いだけでなくより致命的だ」としている。

死亡リスク64%増加、最大104%

 論文を発表したのは英国エクセター大学のロバート・チャレン研究員らの研究チーム。チームでは昨年10月1日から今年1月29日までの間に英国変異株に感染した患者と従来株を含む別の株に感染した患者のデータを54,906人ずつの同数用意し、追跡調査した。その結果、英国変異株に感染した患者の死亡数が227人だったのに対し、他の新型コロナ株に感染した患者の死亡数は141人だったことが分かった。単純に死亡数の比較から死亡リスクを試算すると64%のリスク増加だが、年齢などを考慮すると32%〜104%の増加になるという。

 研究チームではこの結果について、英国変異株は感染力が強いだけでなくより致命的であると思われ、変異株の拡大で感染を制御することがより困難になっていると見解を示している。論文は以下で確認できる。

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