福島Jヴィレッジでサッカー協会が理事会 田嶋会長「震災を風化させずにずっと語り継ぐ」

Jヴィレッジへの思いを語った田嶋会長

日本サッカー協会は11日、東日本大震災の際に福島第1原発事故の対応拠点となった福島・双葉郡のJヴィレッジで理事会を開催した。

現地には田嶋幸三会長(63)を始め、理事30人中5人が訪問して会議はオンラインで行われた。理事会後に会見が開かれ、田嶋会長は「このJヴィレッジが回復してきていることを伝えていきたい。私たちはこの震災を風化させずにずっと語り継いで実行していく。風評に対しては、サッカー界がいろんな大会をして人が戻ることによって風評を払しょくする努力をしていきたい。インターハイのサッカー競技をここで固定できないか今話を進めている。平均温度が低くて朝夕が過ごしやすい。サッカー協会としては固定開催できればと思っている」と協会としての今後の取り組みを説明した。

協会の副会長を務めるJリーグの村井満チェアマン(61)は「改めてスポーツは平穏な日々の中でしか存在しえない、当たり前の日常に感謝しなければならないということを思い出させてくれる日となった。スポーツが持っている可能性や力は平和な社会の裏返しでもある。スポーツは常に壁があり、困難や限界がある中でそれを越えようとする姿を見て頂くことで、何かを得て頂ければスポーツそのものの存在価値がある」とスポーツ全体の意義を強調した。

同じく副会長を務めるWEリーグの岡島喜久子チェア(62)は「東京電力マリーゼという女子サッカーチームがJヴィレッジをホームに活動していた。元なでしこジャパンの宮本ともみ選手、丸山桂里奈選手、鮫島彩選手などが所属していたが、原発事故の影響で活動休止となった。10人程度の選手がベガルタ仙台の選手になり、その仙台が今年マイナビ仙台となってWEリーグのチームになる。このような関係を持つマイナビ仙台が被災地東北の復興のシンボルとしてWEリーグで活躍することに期待する」と震災後節目の年に女子新リーグで仙台の躍進に期待を寄せた。

3・11はサッカー界にとっても重要な日であることは今後も変わらない。

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