佐世保のキックボクサーが「RISE」でプロデビュー 本職はとび職 岡崎晃志さん 「夢舞台」でダウン奪い奮闘

「RISE ELDORADO」に出場した岡崎さん=佐世保市、NEXT STEP GYM

 長崎県佐世保市在住のプロのキックボクシング選手、岡崎晃志さん(25)が、2月28日に神奈川県の横浜アリーナで開かれたキックボクシングのイベント「RISE ELDORADO」に出場。プロデビュー戦ながら相手選手のダウンを奪うなど奮闘した。
 本職はとび職。元々格闘技に興味があり、2018年に友人に誘われ、同市白岳町のキックボクシングジム「NEXT STEP GYM」に入会した。
 同ジム会長の森孝太郎さん(33)の指導を受けながら力を付け、入会半年後のアマチュア大会で初勝利。その後も白星を重ねるなどして昨年2月、晴れてプロの仲間入りを果たした。アマチュア時代の成績は5勝1分け。
 「ELDORADO」の運営側から依頼があり、岡崎さんは「不安もあったがチャンスだ」と思って出場を決めた。地方選手が中央の「夢舞台」に出場できるのはまれなことだという。相手選手は、19歳ながらRISEアマチュア大会の全日本チャンピオン。岡崎さんと同じくプロデビュー戦となる。
 「RISE」はパンチ、キック、膝蹴りが有効な立ち技格闘技。首相撲などの組技は禁止されている。岡崎さんはスーパーフライ級(53キロ)に出場。試合は3分3ラウンドで行われた。
 試合当日、正念場は2ラウンド後半にやってきた。相手選手の膝蹴りを脇腹に受けた。「今まで感じたことがない痛み」だったが、なんとか応戦。パンチで相手のダウンも奪った。
 インターバル中、脇腹の痛みで「もう試合に戻れない」と弱気になったが、セコンドの森さんから「何しにここまで来た。行くしかないよ」と声を掛けられ奮起。最終ラウンドは脇腹のダメージと相手の猛攻撃に耐えながら「死闘」を繰り広げた。
 判定はドロー。岡崎さんは試合を振り返り「悔しいが受け入れるしかない」と感想。森さんは「緊張しながらも、よく闘ったと思う」とねぎらった。岡崎さんは試合後、佐世保の病院であばら骨骨折で全治1カ月と診断された。
 本業をこなしながら、ハードな練習に打ち込む日々。「今回の結果を踏まえ、練習を見直し成長したい。今後はRISEの日本ランキングに入ることを目指して頑張りたい」と目標を語った。

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