上白石萌音「誰の心にも、”ミナリ”の育つ湿地帯が必要だ」 弘兼憲史らからも 「ミナリ」著名人コメント

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農業での成功を夢見てアメリカに移住した韓国人一家を描く映画「ミナリ」が、3月19日から劇場公開される。ひと足先に「ミナリ」を鑑賞した著名人のコメントが公開された。

女優の上白石萌音は、「言葉や眼差しや風景の中に真理が潜んでいて、何ひとつ見逃せなかった。誰の心にも、「ミナリ」の育つ湿地帯が必要だ」とコメント。「島耕作」シリーズなどで知られる漫画家の弘兼憲史氏は、「アメリカ版『北の国から』」を是枝監督が撮ったらこんな作品になるのだろうか。家族のあり方を、いろんな面から考えさせられる作品だ」と評している。映画監督の原田眞人は、「偶然と必然、陰と陽、おばあちゃんの2つの”お手柄”を並べたラストに心を揺さぶられた」と語っている。

他にも、女優の室井滋、タレントのYOU、「この世界の片隅に」を手掛けた片渕須直監督らからコメントが寄せられている。

「ミナリ」は、ハリウッド実写版「君の名は。」の監督に抜擢されたリー・アイザック・チョンが務めた作品。タイトルの「ミナリ」とは、水辺に育つ韓国の芹(セリ)のこと。2度目の収穫のほうがおいしいとされており、成長した子供世代の幸せを願う親の気持ちが込められたタイトルとなっている。

【コメント一覧】 ※五十音順、敬称略

■イッセー尾形(俳優)
素晴らしい!
大仕掛けはなくても、夫婦の妥協しない姿勢がぶった切りのナマな迫力で作品を引っ張ります。
そして、一家族を見つめる中で気づく、言葉を超えた結び付き。
あの男の子を思わず抱きしめたくなるような、愛おしい作品でした。

■丑尾健太郎(脚本家)
画面から、草の匂いまで伝わってくる。倒れても懸命に生き抜く家族の姿が、たまらなく愛おしい。

■枝優花(映画監督・写真家)
居場所のせいにして、自分自身から逃げることは容易い。本当はどこにいたって自分自身次第。どこまでだって行ける。ならば、今をどう生きる?そんなことを劇場で強く感じられる新しい春は最高。

■大森寿美男(脚本家・映画監督)
幸運なことは何も起きなくても、この家族には奇跡が起きている。
その奇跡を見つけることが家族であり、映画の役割だ。
この映画に登場する少年がのちにこの映画を撮ったかと思うと。
その奇跡を見つめる喜びを何度でも味わいたい。

■片渕須直(アニメーション映画監督)
土地を拓き、そこで生きるには、大地に認めてもらわなくてはならない。僕の土や水はどこにあるのだろう。

■上白石萌音(女優)
子どもたちとおばあちゃんの目がよく似ていたり、子が親より大人びていたり。人生は巡るのだなと思った。
何を選択し何を信じるのか。水と土と火と、人はどう共に生きるのか。
言葉や眼差しや風景の中に真理が潜んでいて、何ひとつ見逃せなかった。
誰の心にも、「ミナリ」の育つ湿地帯が必要だ。

■川村元気(映画プロデューサー・小説家)
芹(韓国語でミナリ)が好きだ。
鍋に入れても、お浸しにしてもいい。
いつ食べても繊細で、けれどもたくましい野生の味がする。
リー・アイザック・チョン監督が育んだ芹は、ひときわ味わい深く、どこか弱っていた僕に、生きる力を与えてくれた。

■SYO(映画ライター)
「余韻」では足りない。悠久の、感慨。
この映画は“苗”だ。私たちの心に根付き、時間をかけて生い茂る。土地も文化も越えて。

■原田眞人(映画監督)
偶然と必然、陰と陽、おばあちゃんの2つの「お手柄」を並べたラストに心を揺さぶられた。
映画作家の見事な記憶の再生芸術。

■弘兼憲史(漫画家)
アメリカ版「北の国から」を是枝監督が撮ったらこんな作品になるのだろうか。家族のあり方を、いろんな面から考えさせられる作品だ。

■藤井美菜(女優)
物語の後半、私は主人公たちと共にいた。
力強い大地の上で彼らと笑い、涙し、地団駄を踏んでいた。
これほどまでに観客を魅了し、没入させる作品があっただろうか。

■松尾レミ(GLIM SPANKY)
満身創痍でいると優しさに気付けなくなる事がある。そんな時も誰かがこっそり心に水を与えてくれているのかもしれない。泥に塗れ生きていく人生の美しさを教えてくれる作品。

■室井滋(女優)
夢に向かっても落ちてしまう穴がある。
努力しても容易くないことだらけ。
この家族を見つめて自分の道をも省みた。
私のミナリは何処にーー。

■YOU(タレント)
強さは、 弱さや 不信や 理想までを 乗り越えた場所にあった。
そこには まるで、根付いたすべてがあるようだった。

ミナリ
2021年3月19日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
配給:ギャガ
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