広瀬すず主演「エアガール」が完成。「CAさんは“気配りの塊”」

テレビ朝日系で3月20日に放送されるスペシャルドラマ「エアガール」(午後9:00)の制作発表記者会見が行われ、主演の広瀬すずほか、共演の坂口健太郎、藤木直人、吉岡秀隆が登壇した。

同ドラマは、日本人が日本の空を飛ぶことを許されていなかった戦後、空への純粋な憧れからパイロットになる夢を持っていたヒロイン・佐野小鞠(広瀬)が、当時の“最先端のお仕事”である、エアガール=CAとなって奮闘する姿を描いたスペシャルドラマ。坂口は小鞠と淡い恋を繰り広げるパイロット志望の青年・三島優輝を、藤木は吉田茂首相の右腕として連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)と渡り合った実在の人物・白洲次郎を、吉岡は“日本航空事業の父”と呼ばれる実在の人物・松尾静麿をモデルにした松木静男をそれぞれ演じる。

CA役に初挑戦した広瀬は、撮影前に日本航空(JAL)の現役CAから所作指導を受けており、「CAさんは“気配りの塊”だなと思いました。印象的だったことの一つが、“お客さまに無駄な筋肉を使わせない”という接客の姿勢です。おしぼりやコップを手渡すときの角度が、お客さまに一番近い距離なんです!」と、おもてなしの心に感動したことを明かした。

坂口もまた広瀬と同じくJALのテクニカルセンターを訪問しており、「最初にパイロットの勉強をした時点で、気配りの精神がすごく美しいなと感じました。それまで当たり前のように飛行機に乗っていたので、その礎を築いた時代にこんなにも大変なことがあったのか!と、強く感じました」と振り返った。

一方、1人だけ実在の人物を演じることとなった藤木は、「今回、皆さんが演じた登場人物にはモデルとなった方がいるのですが、僕だけなぜか白洲次郎さんという実在の人物そのままだったので、かなりプレッシャーがありました」と心境を吐露しつつ、「皆さんと対立する役でしたが、白洲さんなりの信念、誠意をもって演じたいと思いました」と役柄に込めた思いを明かした。

小さい頃に思い描いていた夢は「実は、パイロットなんです」と告白した吉岡。「ドラマ『北の国から』(フジテレビ系)の撮影が終わった後、ハワイに連れて行っていただいたのですが、夜、機内で眠れずにいたら、CAの方が操縦室に連れて行ってくださり、内緒でパイロットの席に少しだけ座らせてもらって…航空事業に関わる人たちって紳士でカッコいいなと思いました」と話し、子役時代の思い出話を聞いた一同は、こここでもCAの素晴らしい気遣いに感心。

また、20年ぶりの共演となる藤木について聞かれると、吉岡は「藤木さんは毎回イイ男の役で、一方で僕はひたすら汗をかいています(笑)。でも僕は白洲次郎がとても好きなので、今回は藤木さんが演じてくれて、とてもうれしかったです」とコメント。そして、「今だからこそ、困難な時代に未来を見つめ立ち向かっていった人たちがいることを、見ることができるのはぜいたくなこと」と作品の意義を語った。

さらに、会見では、“空”に憧れと夢を抱く主人公にあやかり、登壇者が願いを込めた紙飛行機を飛ばすイベントも開催。広瀬は「爪が割れやすくなりませんように」、坂口は「花粉症克服」、藤木と吉岡はそろって「世界平和」と願いを込め、「テイクオフ!」の掛け声とともに一斉に紙飛行機を飛ばした。

最後に、広瀬が「とても魅力的な女の子を演じさせていただき、すごく幸せな撮影現場でした。エネルギーがたくさん詰まった作品です。当時の人々の熱い思いが、とても丁寧に描かれています。ぜひ多くの方に見ていただけたらうれしいです」とあいさつし、会見を締めくくった。

なお、このほかにも、小鞠と同期のエアガールに扮(ふん)する山崎紘菜、藤野涼子、中田クルミ、伊原六花らフレッシュなメンバーや、田中哲司、鶴見辰吾、真飛聖、橋爪功、松雪泰子といった熟練の演技派たちが集結。史実に基づいた壮大な物語を紡ぎ上げる。

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