やってみてわかった令和時代の中学受験、変わりゆく学校体系

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。2月17日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」では、弁護士ドットコムGMで弁護士の田上嘉一さんが中学受験で感じた“変わりゆく学校体系”について述べました。

◆令和時代の中学受験…実体験を経て感じたことは?

田上さんの息子は今年、中学受験を行ったそうで、コロナ禍で気を遣うことが多々あるなか、さまざまなことを調べ、体験し、いろいろと感じたことがあったと振り返ります。

まずは中学受験者数について。1都3県では2007年をピークにリーマンショックの影響もあり緩やかに下降していたものの、2015年に下げ止まり、以降は再び上昇。年々子どもの数が減っているため受験率は非常に上がっており、「首都圏では約15%、6人に1人ぐらいが中学受験をしている」と田上さん。

そして、「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中の高瀬志帆さんによるマンガ「二月の勝者 ―絶対合格の教室―」を紹介。これは塾講師が主人公で、中学受験に挑む小学生やそれを支える家庭を描いています。

「週刊ビッグコミックスピリッツ」の読者層は、主に男性のサラリーマンや学生が多いなか、このマンガは圧倒的に母親たちの間で支持され、しかもInstagramを通じて話題に。緻密なリサーチのもと、多くの家庭が抱えている不安や受験に挑む凄まじさ、中学受験あるあるが描かれており、「非常にみんなの共感を呼ぶとあって話題になっている」と話します。

◆より多様性のある学校体系を!

現在、中学受験の受験校は中高一貫校が非常に多いそうで、そのメリットはたくさんあるなか、一番は高校受験をしなくて良いこと。田上さんも「一度受験してしまえば6年間勉強や部活に取り組めて、大学受験に挑める」と口にします。

そもそも戦前は、小学校の後の中学校、いわゆる旧制中学は5年間ありました。そして、旧制高校は今の大学に相当し、大学が大学院に近いものがあり、「もともと旧制は中高一貫だった。今はそれに徐々に回帰している」と指摘。

また、戦前は学校体系の仕組みもさまざまで、必ずしもみんなが中学・高校・大学と同じルートを辿るわけではなかったと田上さん。しかし、戦後にアメリカの制度を取り入れ、1947年にできた学校教育法により現状の制度、いわゆる6・3・3制が定められました。

ではなぜ戦後、学校体系を刷新したのか。そこにはさまざまな説があるそうですが、結論的には現状の仕組みが非常に機能したから。ただ、今に至るまでには高等専門学校や中等教育学校ができたり、公立校も中高一貫が増えてきたり、「だんだんといろいろなルート、多様性のあるルートができ始めている」と田上さん。その上で、「これからの世代、社会においてはいろいろな学び方、それぞれの就職事案に応じた成長があると思うので、戦前の制度の全てがいいとは言わないものの、多様性のある制度に帰っていくのも1つの手段としてあるかなと感じた」と息子の中学受験を経ての雑感を披露します。

MCの堀潤は高等専門学校の価値を評価しつつ、現在の教育体系について「ただ学ぶだけでなく、それが何の学びに繋がるのか明確になる必要がある」と話すと、田上さんもそれに同意し、今後は「みんなが同じ学年を上がっていくのが変わるのではないか」と推察。そして、「最後は法律が作っていくので、議論されていくべき」と自身の見解を述べていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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