J1広島ユース出身「八村公認芸人」澤井一希 目指すは2メートルの世界的エンターテイナー

J1広島ユース出身の澤井が芸能界のトップを狙う

【The インタビュー~本音を激白~(18)】プロサッカー選手を夢見た若武者が、新たな舞台で世界進出を目指している。2メートルの身長と米プロバスケットボールNBAのワシントン・ウィザーズで活躍する八村塁(23)似のルックスを武器に、芸能界に勝負を挑むのはJ1広島ユース出身の澤井一希(24)だ。連載「The インタビュー」第18回、お笑いコンビを結成し、八村公認のモノマネのほか、モデル、俳優としても注目を集める元サッカー少年が将来のビッグな野望を語った――。

――芸能界へ勝負を挑んでいる
澤井 小さいころからずっとプロのサッカー選手になりたかったんです。でも大学3年の終わりに股関節のケガをし、長いリハビリ生活に。それでもサッカーは続けたくて。四国の社会人クラブも声をかけてくれたのですが、4年生の冬、知り合いの方から「芸能界に興味ないか」と聞かれ、初めてサッカー以外で心が動いた。やってみたい気持ちが強くなり、東京行きを決断しました。

――上京後、NBA入りで話題沸騰だった八村の「顔だけそっくりさん」として、フジテレビ系「爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル」(2019年9月)に出演。同年大みそかの「NHK紅白歌合戦」では郷ひろみ(65)の後ろで八村のモノマネでバックダンサーも務めた

澤井 芸能界を目指す中、ユースで同期のDF荒木隼人(24=広島)から(お笑いコンビの)相方の塩谷昂大くん(29)を紹介してもらって。塩谷くんの事務所に行き、入所面接を受けるのかと思ったらすぐに「3日後にものまね紅白のオーディションがあるから行って」と(笑い)。

――昨年はTBS系「オールスター感謝祭」のミニマラソンで優勝したり、同「SASUKE」でも活躍。元アスリートの実力を見せつけた

澤井 マリ人の父がNBAが大好きで、小さいころはずっとNBAを見ていてバスケもやりました。でも、夢中になったのはサッカーでした。

――憧れの選手

澤井(J1広島にも所属した元日本代表FWの)佐藤寿人さん(38)です。僕のヒーローでした。プレースタイルは違いますが、同じFW。中学3年で広島ユースに入り、クラブハウスに行ったら、家にポスターを張っていた寿人さんが目の前でストレッチしている。「すげえ」と。

――声をかけられた

澤井 当時、僕は194センチあったのですが、寿人さんは優しく「中学3年生? 頑張れば絶対日本代表になれるよ、中3でその身長でしょ?」と言ってくれた。もう覚えていないかもしれませんが、とてもうれしかった。「タレントになろうと思うんです」と報告した後も、気にかけてくださった。

――広島ユース時代は貴重な経験だ
澤井 将来、僕が活躍すると見込んで、広島は同学年より先に飛び級でユースに入れてくれたのに、実力不足で、まったく期待に応えることができなかった。とにかくふがいなくて。いつか広島のみなさんに、自分を獲ったのは無駄じゃなかったと思ってもらえるよう頑張りたい、いつか恩を返したいという思いが今でもずっとあります。

――八村には直接モノマネの報告をしている

澤井 東京に来てからすぐ(バスケットボール)日本代表の試合を見に行ったんです。パスがあったので控室の前で「出てこないかな」とうろうろしていたら八村さんが出てきた。「すみません、モノマネさせてもらっています。絶対にビッグになるんで、いつかご一緒させてください」とアピールしたら「おお、そうなんだ! わかったよ、頑張りなよ!」と。僕より1歳年下なのに、すごく余裕があって、自信があふれていた。こうなりたいと思いました。

――SNSなどで「100日後に八村塁になる男」をやっている

澤井 八村さんの研究をしている感じですね。八村さんは「ハーフの大使になりたい」と言っていて、まさに体現しています。ハーフだと、多かれ少なかれ、つらい立場になる時があると思う。僕も小学校のとき、肌の色や髪形が違うことで上の学年からいじられて、傷ついたこともありました。同じハーフとして、僕も多くの人に希望を与えられる存在になりたい。

――今後の目標は

澤井 もちろん世界制覇ですよ。2メートルのエンターテイナー。世界中の人に僕のことを知ってもらいたい。お笑いでも俳優でも、やらせてもらえるものは全部全力でやって、ビッグになりたい。憧れは(俳優の)ウィル・スミスさんとか(歌手の故)マイケル・ジャクソンさん。ハリウッドのレッドカーペットを歩きたい。自分はそれができると思っているので、自信を持ってやりたいです。ビッグマウス? 口に出すことが大事ですから!

【コンビ名の由来に…】芸能界で成功し、ユース時代に所属した広島に恩返ししたいという思いは、塩谷とのコンビ名「ジュビレッチェ」に表れている。塩谷はACNジュビロ沼津(現アスルクラロ沼津U―15)出身。澤井は「ジュビロ(磐田)とサンフレッチェ(広島)を掛け合わせました」と説明した。澤井は個人でも、ドラマ「お茶にごす。」(Amazonプライム・ビデオで配信中。テレビ東京系放送予定)出演や映画出演が決まり、活躍の幅を広げている。

☆さわい・かずき 1996年9月5日生まれ。マリ人の父と日本人の母を持ち、米ロサンゼルスで誕生。1歳のときに広島に移住した。小学2年からサッカーを始め、小学6年のときに新涯フットボールクラブで全日本少年サッカー大会(現全日本U―12選手権)の広島県大会を勝ち抜き、全国大会に出場。中学3年時には、飛び級で広島ユース入りした。環太平洋大を卒業後、芸能事務所入り。身長2メートル。足のサイズ30センチ。

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